2013年1月に放送されて大反響を呼んだNHKスペシャルの書籍化。
病院や介護施設をたらい回され「死に場所」を持てない男性、自宅を失った高齢者の「終の住処」と化した三畳一間の宿泊所、自分も周りも気づかずホームレスになってしまった認知症の高齢者など、超高齢社会に住む我々が目を背けてはならない現実を徹底取材。自分の居場所を自分で選べずに「漂流」してしまう現状に警鐘を鳴らしつつ、「奇跡の共同住宅」という希望の光も示すノンフィクション。
【構成】
序章 歳をとることは罪なのか
第1章 “終の住処"を選べない時代
第2章 死に場所さえ持てない!
第3章 「漂流死」する高齢者たち
第4章 知られざる「認知症漂流」
第5章 どうすれば老後の安心は得られるのか
第6章 “老人漂流"を食い止めるために
【「はじめに」より】
この本では、番組では伝えきれなかった「自らの老後を、自らで選ぶ」ということの難しさと大切さについて、詳しく伝えようと試みている。(中略)
自らの老後と向き合うとき、どうすれば「自分らしい“終の住処"」を見つけ出せるのか、現実的な目線で老後の選択肢を提示したい、と思ったためだ。
菊池寛賞受賞『無縁社会』から3年後のニッポンはいま―。反響を呼んだNHKスペシャル待望の書籍化!歳をとるのは罪ですか?高齢者が体調を崩して自宅にいられなくなっても、病院や介護施設は満床で入れない。短期間だけ入れる施設を転々とし、そのうち貯金は底をつき、行きつく先は生活保護。それでも安住の地は簡単には見つからない…。住まいを追われ、“死に場所”を求めて漂流する高齢者が、いまあふれ出している。