◎ 内容紹介
「孤立死」「餓死」という言葉に象徴されるように、
昨今、孤立や貧困をめぐる問題が日本の社会問題の一つになっている。
近年では高齢者がひとりで亡くなったまま
何日も発見されないという事態も相次いでいる。
先進国といわれるこの日本で、いま、いったい何が起きているのだろうか。
30年以上も前から貧困と孤立の問題を研究し、
NHK『無縁社会』『老人漂流社会』に協力・出演した著者が、
高齢者、とりわけひとり暮らし高齢者の貧困と社会的孤立にスポットをあて、その現状を分析。
家族や社会構造はどう変化したのか。
日本の社会保障、福祉制度に欠落しているものとは?
<高齢者3000万人時代>に必要な視点と、問題解決へのシナリオ。
◎ 目 次
【はじめに】深刻化する貧困と社会的孤立
・貧困と孤立がもたらした死
・「所在不明高齢者問題」
・氷山の一角
・孤立死の数
・貧困が孤立を生み出す
・ひとり暮らし高齢者3人の生活
・30年以上の調査をふまえて
【第1章】貧困と孤立は、もっとも弱い層を襲う
1-1 孤立問題が生まれる背景
1-2 イギリスでの問題の捉え方
1-3 日本の貧困・孤立と高齢者
【第2章】ひとり暮らし高齢者はどの地域に多いか
2-1 高齢者3000万人の時代に
2-2 都道府県別に見た、ひとり暮らし高齢者
2-3 地域類別に見た、ひとり暮らし高齢者
【第3章】日記は語る
3-1 3人の1週間の日記から
3-2 3事例はどう位置づけられるか
【第4章】5つの生活類型と格差
4-1 都市中心部の地域実態から
4-2 20年の調査で見えてきた傾向
4-3 ひとり暮らし高齢者の生活の特徴
【第5章】農山村と都市を比較する
5-1 山形県5000人の調査から
5-2 生活問題の相違点と共通点
【おわりに】「老人に冷たい国・日本」を変える
(1)政策がつくりだす貧困と孤立
(2)新たな政策の創造
(3)地域ネットワークと家族
(4)貧困と社会的孤立の解決に向けて
“大切なもの”が欠落する日本の社会保障・福祉制度“高齢者3000万人時代”に必要な視点そして問題解決へのシナリオ。