[本文引用]
今年で還暦になる。
私が社会人になった頃で言えば定年の年である。
実際に、私の世代は、どういう形にしろ60歳までは働く事を前提に会社に入った。
22歳として38年間だ。
新人の頃はとてつもない先に思えた。実際にその当時の60歳の人は、無事定年して退職金をもらってあとは余生というのが定番だった。
時は1984年、男性の平均寿命が、約75歳の時だ。
あれから社会は劇的に変わった。
大学時代に一緒に遊んでいた仲間も会社員をしている者は、そろそろ定年を意識し始めている。実際には、定年が65歳の時代にはなった。さらに70歳になろうとしている。
それだけ人生が長くなったからだが、会社員をずっとしてきた友人とコミュニケーションすると、今がこれからの長い残りの時間をどうするかの判断時だということに気づく。
私は31歳で起業した時から、会社員という立場ではなくなった。だから定年はない。私の場合は、もっと若くして会社経営を止めて引退する気持ちもあったが、そういう機会もなく今に至る。
この先は、自分の引退は自分で決められる立場ではある。そんな私と、学生時代の友人が今後の話をすると、あまりにもかみ合わないのである。
とはいっても、学生時代の友人は本当に気の置けない仲間であり、頻繁に会うことがなくても、自然体で気楽に話が出来る。
今振り返っても、学生時代の時間の過ごし方は濃密だった。私はご多分にもれずと言うか、典型的な遊び人の大学生だった。入学してすぐにパチンコと麻雀にハマった。結果、このあたりで趣味が合う友人がつながった訳だ。
ひどいときは、早朝から深夜まで、パチンコ屋に入り浸ったとこもある。並行して、私の下宿で夜な夜な麻雀をする日々が続いた。この麻雀に関しては、卒業するまで続いた。
実はこの年末に、SNSで一人の友人と、お互いのこれからの話になった。
私は、昔から変わっていないのだが、自分の未来の話しは考えるのは面倒くさいので、即決型である。だから、友人にもこれから一緒にビジネス活動をしようと提案した。
友人は、いやいや、流石に即決は出来ないよと返事が返ってきた。
こんなやり取りをしていて、学生時代のお互いの麻雀スタイルがふと蘇ったのだ。
SNSのやりとりは続く。
友人に麻雀と一緒やねと返した。すかさず、お互いに変わっていないねと返ってきた。
全くたわいのないやとりではあるのだが、改めて大学の時代の仲間の存在とありがたみを実感した次第。考えてみたら働いて40年近く、会社を経営して30年近く。今仕事に全く関係ない付き合いと言えば、大学の友人ぐらいである。
そういう意味では自分の素をさらけ出した4年間。ほとんどの時間を一緒に過ごした間柄と言うのは、何事にも代えがたい存在だと改めて気づく。
その日暮らしのノー天気ではあったが、何の利害もなく、駆け引きもなかった。そんな時代の仲間は、ある意味、青春時代の爽やかな時を過ごした同士とも言える。
三つ子の魂100までというけれど、本当にそうだと思うし、そういう意味で学生時代を振り返ると、一つの自分のマイルストーンとしては大切な時代だったと改めて思う。
一昨年、卒業以来初めて大学の同窓会に出席したのだが、その時はその時でとても新鮮だった。
還暦の今年、何か自分から機会を創造して、大学の仲間との新たな人生も楽しそうだなと思っている今日この頃である。
以上