[本文引用]
世のため人のため、という誰でもが知っている言葉がある。
私も子供の頃から聞きなれてきた。
そして、野口英世とかナイチンゲールとか、そういう存在を、学校の先生から学んできたように思う。
だからと言って、私は、子供の頃、そういう人になりたいとは思っていなかった。そもそも、こういう人の本当の価値や役割は分かっていなかったと思う。
今、仕事に限らないが、色々な人とおつきあいさせていただいたているが、実際に、世のため人のためだけにと言う方は、それほど多くはない。
しかも、特定の人を除いて、どちらかというと世の中のことは、他人ごとである。たいていの人は、自分の事に必死だ。
私も、20代、30代前半ぐらいまでは、正直、自分の事以外の意識はあまりなかった。そもそも、世の中のこと、社会のことをあまり知らなかった。特に創業してからは、自分の会社の維持だけで必死だった。
今でも、余裕しゃくしゃくではないのだが、だんだんと、社会貢献や世の中を良くしようと言う意識は芽生えてきた。感覚的には、どこかの根底にはあったのだと思っているが、自分が40歳を過ぎたあたりから、会社の存在意義を真剣に考えるようになってきた。
経営者に限らないが、やはり、人生の先輩の方々が実践している様に触れると影響は受ける。
そして今、気付いてみたら、多くのアクティブシニアの方々とのお付き合いが、今の事業運営の不可欠な部分になっている。
そして、仕事だけでなく、人生の羅針盤として、多くのシニアの方とお付き合いしていることが日々の発見であり学びであり、そして財産なのだ。
ありがたいことに、こういう方々と接していて確信できることがある。
8月5日の新刊“もし波平が85歳になったら”でも書いたが、人生経験が豊富になると、人間は自然と世のため人のためという意識が強くなるようだ。そして、すぐに行動に移すのが、またすごく思う。
そうしようと思っても、なかなか、行動はできないものだ。ところが、アクティブシニアの方々は、ご自身の事はあまり顧みず、前進する。
日頃、様々な分野で好奇心旺盛にいつまでもチャレンジ精神を忘れずに、世のため人のため、そして、自分の人生を楽しむため。こういう方たちとのお付き合いが、私の人生の羅針盤でもある。
私ができることとしたら、こういう方たちを世の中にお伝えする役割があると思っている。皆さん現役バリバリで活躍中であり、それぞれの方の、取り組みやこれから先の展開が楽しみである。こう言う価値のある活動と接しているだけでも、こちらもワクワクワするし、元気になる。
こんな気持ちや感覚をお裾分けできればと思っている。
出版という形もあれば、会場セミナーでも良い。また、最近は、オンラインを駆使してお話しされるシニアも増えてきた。
そして、何よりも一番大切な事は、自分のためである。世のため人のために貢献することが、ひいては自分のためになる。生きがいでもあるし生きた証でもある。
情けは人の為ならず。
という有名な言い回しがある。本当の意味を誤解している人も多いようだが、これは、情けをかけたら人のためにならない。という意味ではない。誰かのために何かしてあげれば、巡り巡って自分に帰ってくる。というシンブルな意味である。
私は、本音はそれでよいと思う。だから、シニアの方に、もっともっと、世のため人のため自分のためを実践していただきたい。
シニアの方々は、それだけでも日本や世界の中で、存在としての価値は高いのであるが、これからは、ももっともっと、こういう方々をメディアなどで紹介させていただき、一緒に、世のため人のために自分のため生きる今を共有したいと思う。
以上