[本文引用]
分かっていたら、しなかった。
知っていたら、挑戦しなかった。
実は、人生において、こういうことは結構あると思う。
創業者仲間と、飲みながら話しすると、こんな話で、妙に馬が合う。
世の中には、色々な起業のパターンがある。
会社のことをしっかり学んで、色々と専門家からアドバイスを受け、日本における起業家の数と廃業の数の情報を知り、およそ起業と言うことに関するあらゆるリスクを頭に入れる。
もし、こんな状況であったとしたら、まず、自分はやっていないよね。というタイプが私の周りには多い。
私も、このブログで何回か起業の動機については、書いたことがある。シンプルに言うと、単に独立したいと思っただけである。私の場合は、会社とか組織とかの意識はあまりなく、自分が会社や組織に属さずに、個人プラスアルファの感覚で、仕事ができれば。と思っていた。
だから、最初はオフィスは持たず、本気でSOHOワーカースタイルでと、ここだけはこだわりをもってビジネス活動を始めた。
当然、経理の実務的な事は知らないし、人事といっても、様々な規定集を揃えだしたのは、社員が数十人を越えた時だったと思う。簡単に言えば、何から何まで未経験。
人に教えてもらったり、本で学んだり・・・。何かと知らないが故の強みと言うのがあって、開き直りではないが、知らないことは、学べばよい、教えてもらえばよいという感覚だったと思う。
そんなことで、会社が経営できるのか?と思う人も多いだろうが、結局は、起業すると言っても、会社を経営することについては、赤ちゃんな訳で、なんとなく、1年経ち、2年経ち、がむしゃらに走っていて、ふと立ち止まった時に、慌てて、ちゃんとするにはどうするかを学びながらの前進だった。
やっぱり、私のようなタイプが会社経営を始められたのは、会社経営の苦労や難しさなどを考えることも、そういう先輩との縁もなく、好奇心のみで始めたからだと思う。
考えてみたら、知らなかったから、してしまったこと、やってみて経験を積めたことと言うのは、人生において沢山ある。
私にとって、ベナトムでのビジネス活動は、典型的だ。今までも数えきれないぐらい、ベトナムで活動を始めた理由を聞かれた。
最初の頃は、もっともらしく答えていたが、そのうち、そういうことを反芻している間に、考えてみたら、特に理由もなかったことに気づいて、ここ最近はずっと、たまたまですと答えることが殆どだ。
こういう風に言うと、たいていの人の反応は、冗談のように聞こえたり、海外進出でそんな選択の仕方があるの?という怪訝な反応もあったりする。実際に、何も考えずにしたから、続けてこれたとも言える。つまり、20年以上前のベトナムにおいて、市場調査とかマーケティングとかいう感覚も私たちにもなかったし、世間にもなかった。
その当時には、日本から見たら、ベトナムへの工場の進出はあったとしても、その他の分野のビジネスなどは皆無だった。
日本から見たら、不知で未知の世界だった訳である。だから、誰にとっても、やってみないと分からない状態とも言える。
もし、冷静に判断していたら始めていないかも知れない。当時のベトナムの様々な経済指標やビジネスのレベルを知っていたとしたら、ベトナムでのビジネスをやめたとは思わないが、よっぽど、先になっていたのかもしれない。
何事も人それぞれのやり方があるが、感覚的なものや意味づけがあるからやってみる。ある意味、人生の醍醐味と思う。
一方で、長年、失敗経験も含めて、色々と知ってしまうと、なかなか、瞬発的な判断が鈍る。やはり、知らないからこそ、即決できる事というのは大切な事だと思う。
以上