[本文引用]
蓼(たで)食う虫も好き好き。
子供の頃習った諺、今更ながらよく言ったものだと思う。
たでという、とても苦いと言うか、まずい草を食べる虫がいるという言い回しだ。
実際、人間に当てはめても様々な世界でこのことを実感する。
私がお付き合い頂いている方々も、不思議なことにチャレンジしたり、誰もがしないようなこだわりを持ったり、実に人は好き好き生きているものだと思う。
私の知り合いのタイでオーガニックビジネスを経営する大賀さんは、“微生物さん”と普通に話される。他にも沢山の方が様々な立場で微生物を語る。ここ最近私の身近でも、微生物の研究している人が当たり前に思えてきた。
確か数年前にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別名誉教授は、ゴルフをしていて土の盛り上がりが気になった。そこから大発見をしたという話をメディアで見かけたことがある。
また、世の中には、特殊な昆虫や植物一歩を研究し続けている人もいる。線虫を研究してそれをがんの発見につなげた人もいる。
人間の不思議さにはあきることはない。
そういう意味では、私はこのブログにも時々書くが、人間らしさや日本人らしさにとても関心がある。それは、ある意味、自分という人間にも関心があるという言い方にもなる。
だから、人間そのものを研究、探求している本はついつい優先して読んでしまう。
この春先に、見つけた本が特に興味深かった。
タイトルは、“ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか”。
この本の出だしで思う事は、このテーマの研究者が著者以外にもたくさんいるという事。
そして、著者自身がこのテーマの達人で、ミイサーチとしても取り組んだとある事だと書いている。これだけで、そうそう、みんな一緒なんだと共感を呼ぶ。先延ばしは人間の共通事項なのだ。
世の中には、人間そのものを研究対象にしている人も多い。きっと、自分自身も人間として悩み様々な葛藤がある中で、何か、それを打開するヒントや解決策を見出そうとしている人は多いのではないかと思う。
私も、人間に殊更に興味があるが、それは裏を返せば、自分を通して自分とまわりの人を探求したいと言う気持ちなんだろうと著者の書き出しを見てそう思う。
では、この先延ばしであるが、おそらく、誰もが皆、経験が山のようにあるだろうし、そしてまた、その克服に腐心していることと思う。
私も、何か突き上げられるような感覚で、あるいは、何かに向かってまっしぐらに挑戦するような意志の時は、とても集中力が高いときがあると自分でも思う。
一方、気分が乗らない時や不調の時、もっと言えばスランプの時など、多くの事を先送りする。
ただ、この先送りには2つあって、単純になんとなく先送りする時と、今、不調の時にやっても結果は良くないのが目に見えているので、先送りすることもある。
問題は、前者であるが、このあたりを上手に克服する手立てが見つかるのかもしれない。こんな関心もあって、この本を購入した。
読後感としては、みんな人間は一緒なんだと言う安心感が生まれる。
その中でも、私も共感したし、人にも伝えたい内容が幾つかあるので、私になりの解釈でおいおい紹介しようと思う。
以上