[本文引用]
今、日本でもコンパクトシティ構想が話題になっている。
北陸の富山市などが代表的だ。
高齢化・少子化の中、地方の衰退が著しい。
そういう中で地方の過疎化は急激に進んでいる。限界集落と言う表現も、当たり前になっていて、悲しいかな今後20、30年で村が消えていく。
都会に移住して暮らすシニアも多い。その最大の理由は、生活が便利だからである。東京などの大都市の高層マンション住まいのシニアは、そういう方も多いと聞く。
確かに、ちょっとした移動で、買い物は出来るし大抵の事は出来る環境にある。足らないのは大自然に囲まれた穏やかな環境だけだ。
一方、地方は、もう随分前から言われているが、郵便局がなくなり、小売店もどんどん店じまい、不便さが増大すれ。昔からなじみの商店街があったとしても、シャッターが下りている店ばかりである。
私も、南あわじ市の田舎で過ごしたことがあるが、ちょっとした買い物は車がないと出来ない。シニアの方にとっての移動というのがとても重荷になっている。
高齢者の運転についても、必要以上にメディアなどが危険性を煽り立てる。
シニアの交通事故はとてもセンセーショナルに伝えられる。こういう影響で運転免許証を手放してしまうシニアも多いと聞く。もちろん、認知症などになれば、運転免許は返却するのが当たり前だと思うし、シニアでも個人差は当然ある。すべてのシニアの運転が危険な訳ではない。
ただ、いずれにしても、運転できたとしても、地方でシニアが自分で出かけていけないと言うのも切ない話である。
先ほど書いたように、昔は、普通に歩いて行けるところに、ちょっとした商店はあった。郵便局もあった。こんな時代に成り立っていた地方のコミュニィや街の機能は大きく変容した。
そういうことを解決する一つの方法として、コンパクトシティ構想もある。
最先端のITなども駆使して、移動の手段であるバスや色々ある交通機関を一元的につなげて、スムーズな移動をサポートする仕組みを創るというのが目的の一つだ。
これは、フィンランドが発祥と言われているが、MASSと言われる仕組みである。
人の移動と言う意味では、体の不自由な人のためのバリアフリーという考え方がある。これは、2006年に制定されたバリアフリー法に基づき、移動の負担などを軽減するように町や建物を改良する話だ。こういう仕組みは、結果的にはシニアライフの改善にも貢献していると言える。
また、今、オンラインが世界中に拡がった。
こういう変化の中で、シニアの人の物理的制約を超えて、日本中のつながりたい人と会うことが出来る。もちろん、世界とつなぐことも言葉の問題が解決できるのであれば、距離は関係がない。
移動の制約が高まるシニアの世界にこそ、オンラインは有効である。
あと、メタバースにも期待したい。
シニアでお元気な人は良いが、寝たきりになってしまったり、移動が不自由な人は沢山いる。男性でも平均10年ぐらいが寝たきりになる。
私が仮にそういう状態になるとして、それまでに、メタバース上で、アフリカ旅行ができたり、自分がかつて訪れたことがある場所に、行って見たり、自分の子供の頃に戻ってみたり。ITが発展した今、考えられることは沢山ある。
物理的な移動に制約が増えてくる中で、今の私たちは、自自たる技術を使って、QOLを改善する方法が多様で、使い方次第では、とても有用だと思う。
以上