[本文引用]
昔から、海外からの留学生とは縁がある方だ。
遡れば、私の最初のご縁は、40年近く前。
私が勤めていたある小さなエンジニア派遣会社が始まりだった。
中国人、マレーシア人のITエンジニアの卵の若者との不思議な仕事生活だった。
留学生と言っても、今でいう大学にやってくる正式な留学生とは違う。
あれから、実に様々な国の日本に期待と憧れをもってやってくる若者と接してきた。
30年前も10年前も変わらないことは、日本には期待している若者が沢山いることだ。彼ら彼女らは、日本の価値や強みをよく理解してくれている。仕事柄、東南アジアやアフリカの新興国ビジネスを開拓してきて、ずっと思っていることがある。
日本の立場で、これからの国で何をしたいかを探す、考えることも大事だが、それ以上に、彼ら彼女らが、日本に何をしてほしいか?に意識を向けることが重要だ。
ここに焦点をあてるのが、お互いの良好な関係の構築にはベストウェイだと考えてきた。
実は、先日、神戸大学の国際交流学科の数人の留学生と懇親をする機会があった。
私の出身大学ではあったが、最近までは、あまり交流はなかった。人のご縁とは不思議なもので、コロナ禍前のあった大学の集いの案内に、何気なく反応して、東京の会合に出席。
この時のつながりから、あっという間に巡り巡って、国際交流学科とのご縁が出来た。
当社のセミナールームで留学生の皆さんと、日本の社会人の若者数名で、ざっくばらんな情報交換と懇親会を行った。
実は、神戸は随分前から国際都市を標榜してきた。実際にそういう雰囲気を感じる港町ではあるが、この30年、国際化が目立って進展しているかと言うとそういう感じはあまりない。
特に震災復興という足かせで、思うように、グローバル化の活動はできていなかったのではと、私は思ってきた。
だが、一方で、産官学連携の強化の中で、神戸の国際化を進めようという胎動は感じる。私も、企業人としてもそうだが、1人の神戸市民としても何か貢献をと真剣に考えていた矢先の、つながりが出来たのである。
今回の懇親会では、カンボジアから二人、ブラジル、あとはブルンジの出身者との情報交換はとても刺激的だった。皆さん、エリート留学組だけに、自国の将来を背負っている。だからこそ、日本、日本人の分析や見識は適格だ。
日本側からの若者からは、率直な質問が幾つもあった。なぜ、先進国の中で日本を選んだのか?
実際に日本に来て、来る前の印象とどう違ったか?将来チャレンジしたいことは?
定番の質問であったとしても、その反応は、なかなか面白い。
当り前の話だが、自国の未来と連動した話になる。彼ら彼女らからの一言一言から、それぞれの出身国の事情がひしひしと伝わる。
私も、私が日々感じている日本への期待感について、質問した。
どうして、日本の教育のしくみやその内容に関心が強いのか?
これは、ブルンジの留学生との会話の中から思いついた。ブルンジという国を知っている人は少ないだろう。そう、私たちのアフリカ拠点があるルワンダの隣国だ。
彼から、ルワンダに10回以上来ているのだったら、一回ぐらいブルンジに来てくださいよ、と。
こんなやりとりのなか、彼が日本の教育の仕方や仕組みにとても興味がある。と言う。私は、アフリカの教育環境の事情もある程度は分かっていたが、直接的に日本に対する教育のノウハウの提供の期待を聞くと、決意新たに取り組んでいこうと思う。
以上