[本文引用]
仕事をより良く仕上げる為に、何が一番大切か?
私は真っ先に、自分の仕事のやり方や成果を、客観的に見直すことと答える。
日本では当たり前のように言われるが、顧客の声に耳を傾ける、顧客の期待するものを察知して、商品やサービスの質の向上に役立てる。日本で、それなりに働くのであれば、常識として身に着けておきたいところだ。
一般的に、ものを作る側の人は、自らの技術や熟練の技に溺れる。自分が良いと思うものをひたすら突き詰めて、商品を完成させる。ただ、それが必ずしも顧客の望んでいる者とは限らないわけだ。
私が20年近く関わっている、書籍にしてもそうだ。未だに、編集の人に言われるが、読者の立場を考えて、読み手の期待値に沿って、文章を創造することが大切だ。私も今も反省だらけなのだが、とにかく、あれもこれも一冊の本に詰め込んでしまいたくなる。
実は、主観と客観を上手に使い分けていくと、仕事の質は格段に上がる。
単純な仕事で考えてみよう。
お客様に出す提案書。自分が時間をかけて苦労してようやく出来上がった。ここで、大切な事は、身近にいる第三者に批判的にチェックしてもらうことだ。
どんな人でも、思い込むし、自分が作ったものを客観的な目線でブラッシュアップするのは得意ではない。しかも人間にはヒューマンエラーもつきまとう。
だからこそ、第三者、できればそれも複数の人に客観チッェクをしてもらう。誤字脱字だけの話ではない。分かり易いか。理路整然としてるか。的確な表現を使っているか。本当にちよっとした資料一つでも、修正点は沢山出てくる。
これは総じて言うと、どんな仕事でも、質や精度を高めようと思えば、必ず第三者の目線でチッェクしてもらうことが大切である。私も、日常そうしている。特に文章は必ず誰かに見てもらい、意見や修正点を出してもらう。
複数の人から見てもらうと、バラバラな指摘が入ることも多い。そんな時は、全てのチェックを大切に扱う。修正するかどうかの取捨選択は自分がするにしても、一つずつの指摘は貴重なのである。なぜならば、チェックした人には、そう思う、そう感じる箇所だからである。
こんな風に考えていくと、繰り返して使うような提案書や事業説明書などは、何度も何度も修正があって当たり前だ。
自分の話し方や話する内容も似たようなもので、やはり、身近な人に批判的に意見をもらう方が良い。私も今でも心がけている。
昔は特に、聴き手の方から、結構色々とフィードバックを頂いた。誉め言葉ももらったことはあるが、やはり、改善点を指摘してもらう方が先々にはとても役に立つ。
何事もそうだが、第三者に批評してもらったり修正点を指摘してもらうのは、気分が良いものでもないところがある。だから、そういうことをせずに、一人で仕事をする人が結構いるが、それではそこそこは仕事ができたとしても、一流の仕事ができるレベルには到達出来ない。
人間がビジネスで成長するために、習慣化はとても大切なスキルだ。特にこの第三者チェックの習慣は、できるだけ若いときに身に着けた方が良い。中途半端に経験を積むと、プライドが邪魔をして、人に見てもらうと言う行為を避けてしまうようになる。
以上