[本文引用]
仕事ができる人の特徴の一つ。
それは、記録魔であるということだと私は考えている。
もちろん、他にも、誠実であるとか、責任感が強いとか、顧客志向であるとか、プロジェクト遂行能力が高いとか、コミュニケーション力があるとか・・言い出したら山のようにあるのだが、今まで数多くの人と関わってきて、統計学的には、仕事ができる人はメモ魔であると言って間違いはない。
あえて逆に言うと、仕事出来なくてメモ魔がいるかということになるが、例外は否定しないが、一過性ではできても、習慣としては続くことはないと思う。
こんなことをベースに仕事している私は、自社でも新入社員や中途社員が入手した時は、とにかく、書いてもらう。
新入社員は仕事のやり方を、覚えていくだけということになるが、中途はそうではない。書いてもらうと、今までどういう世界で、どういうスタイルでどういうやり方で仕事してきたかすぐに分かる。
簡単に言うと、まず、人の話を聞いて的確に理解できるか?そして、それを分かり易く要約できるか?である。人間というのは人の話を聞くだけなら簡単だ。ただここで、あの有名な聴く力というところで、大きな差があるのだが、今回はその話は置いておく。
単純に人の話を聞く、ということでも、的確にメモができるのとそうでないのとは大違いだ。
これは、簡単に言うと、人間の限界=自分の記憶の限界を知っているかどうかだ。
私は、兼ねてから、様々なところで、発信してきたが、“記憶より記録”を重視する。誤解があるといけないので、断っておくと、訴訟などのためのエビデンスのためではない。簡単に言うと、記憶ぐらい曖昧で、思い込みに支配されるものはない。まして、対話している時に、どっちが先に言ったことなのかという判別が必要な時でも、記憶はあいまいになる。
スケジュール管理にしても、何にしても記録ができない人とは、仕事はやりにくい。とは言いながら、世間でもちゃんと記録する人だなと思う人は、10人で2、3人だろうか。
ここまでは、ITが特段関係なく、手書きのメモで良い話である。
ここから先は、ITを使って仕事する時の基本中の基本の話になる。記録しないものはデジタル化できないということだ。例えば、議事録、これを書くスキルも千差万別。重要なMTGであれば、記録するのは当たり前。
例えば、取締役会は議事録が絶対必要だ。ここに誰が何を発言したかも記載が必要な事項もある。結論だけでは成り立たない。責任との相関だ。
プロジェクト遂行においても同じ。程度問題はあるが、議事録は事実に基づいて作成するのが不可欠である。で、そろそろ、議事録をAIが自動作成するのではと話題になっている。
私は、これは、本当の現場を知らない人の言う事だと思う。話したことをテキスト化する技術は実用化に使いが、議事録は、至難の業であろう。
もちろん、いつかは、精度も上がるだろうが、少なくとも、当該MTGだけをAIに議事録化しなさいと言っても、無茶な話だ。当然、アジェンダは当たり前、その背景にある情報もAIが相当量の情報を活用してはじめて的確な議事録がかけるだろう。
話は元に戻すが、ITを使ってデジタル情報を活用するということがイメージにあるなら、誰でも分かる。とにかく記録しないと始まらない。
中小企業でも、これからあたり前になってくる見える化、知的資産の活用、リスクマネジメント・・・などなど。実に色々とあるが、全部記録が前提になるのである。
従って、これからもアナログの世界であっても、記録してきた人の方が、生き残ると私は断言できる。
以上