[本文引用]
私は自他ともに認める甘党です。
アイスクリームも四六時中食べるし、シュークリームやスイーツ系は好物だ。
今の日本はコンビニでもカフェでもどこにいっても、スイーツ系の品ぞろえは豪華だ。
私の子供の頃からは、考えられない。
どれもこれもおいしそうだから、ついつい、コンビでもまとめ買いしたくなる。
最近、星野珈琲によく通っている。以前から、気になっていたメニューがあった。
昭和のプリン。行くたびに注文しようと思いながら、毎回、パンケーキなどの別のものを頼んでいた。そう。優先順位としては、昭和のプリンは少し下だった訳だ。先日、ついに、とうとう昭和のプリンを注文した。
味がどうだったかは、後ほど書くとして・・・。
注文に至るまで、このメニューを眺める度に思って来たことを書いてみたい。
まず、昭和のプリンというネーミングは絶妙だ。私のような昭和ど真ん中世代を狙っているのか?メニューの他の商品は、いかにも若者受けするようなものが並ぶ。プリンだけが、昭和である。
昭和のクリームソーダとか、昭和のあん蜜とかがあってもよさそうなものだが、昭和のメニューをそろえて、私たちの世代のノスタルジー感を醸し出している訳ではない。
一つだけ、なぜか昭和のプリンがあるのである。
だからこそ、私がずっと気になる商品になっていた訳だ。
私が子供の頃、おやつと言えば、実家のさつま芋がメインだった。時々、法事や何かの集まりで、親がもらって帰ってくるお菓子がたまのご馳走だった。
そんな時代、ハウス食品のプリンの素という商品があって、粉末のプリンの素を水で溶いて、温めて、冷やして、器に入れて、冷蔵庫で冷やす。
年に何回か、自家製プリンを楽しんでいた。ある意味、高級でデザートだった。
多分、その時の感覚がずっと残っているのだろうか。今でもコンビに行くと、プリンは常連として私の買い物かごに入る。アイスクリームかプリンかぐらい、プリンに凝ったことがある。今のコンビには、おいしそうなプリンが定番で並ぶ。
この星野珈琲の昭和のプリン戦略とは、なんだろうか?私のようなハウス食品のプリンでこの味を覚えた人をターゲットとしているのだろうか?きっと、他にも色々と狙いはあるとは思う。
もう一つ考えついたのは、昭和の時代のカフェのプリンの再現なんだろうか?
なぜそう思うかと言うと、それは、この昭和のプリンの味がとても濃厚だったからだ。今、私が食べるコンビニなどのプリンは、どちらかというと、味があっさりしている。これなら、毎日食べても飽きない。
ところが、この昭和のプリンの濃厚さでは、流石に毎日食べるのは重そうだ。とは言いながら、何となく懐かしい味であったのは間違いない。
私達昭和の世代にとって、だんだんと、昭和の感覚が遠のいていく。だいぶ前から、昭和ブームになっている話は、あちこちで聞く。その代表的なものが地方の商店街。今、仕事で関わっている徳島の鴨島の駅前商店街などは典型だ。
さびれた感じの商店街にはわびしさが漂う。にぎわった頃の商店街の様子が懐かしい。こういう光景は、日本中にある。さびれた鴨島の商店街の中でも、いまだ健在な昭和風の喫茶店に入ったことがある。メニューは昭和そのもの。私は、定番のクリームソーダを頼んだ。
昭和の人間にとって、昭和体験ができる店。やっぱり、流行りそうな気がしている。
以上