[本文引用]
海外ビジネスをしていると、ほとんどの人が言葉の問題に遭遇する。
単純に言えば、英語が堪能であれば、関係のない話である。とは言っても、英語がどこの国にも通用するわけではない。
私も、海外ビジネスは長い。かれこれ四半世紀にはなるが、やはり、言葉の問題と言うのは、結構苦労してきた。英語があまりできないので、自業自得でもあるのだが、仮に英語ができても、ベトナムなどでのビジネスはスムーズではない。
なぜなら、相手に英語ができない人も多いからだ。海外進出は、コロナ禍が落ち着きつつある中で、一気にもり上がるだろう。一般的には、通訳者や翻訳者の大活躍というところもあるが、一方で、ITの進化のおかげで、かなりのところが自動化されつつある。
言語翻訳と言えば、AI君は欠かせない。
一人一人の文章には、独特の癖がある、そして専門用語になると使用頻度は少ないが、正確に訳せないといけない。
こんな部分ではまだまだ、通訳者や翻訳者が必要とされる所以だ。ところが、AI君と言うのは、学習が売りだ。私のような癖のある文章や話し方でも、私のAI君なら、そのうち覚えてくれるだろう。
今、現実に、世界でも評判の翻訳ソフトは、日々進化している実感がある。翻訳の場合は、ビジネス用途と言うことになるが、それでも、随分、言葉の障害がなくなりつつあり、ビジネスのダイナミズムは劇的に進むだろう。
一方で。通訳はどうだろうか?
流石に、直接人と人が会っているシーンで、IT機器を使って、自動通訳してもらうというのはビジネスにすぐには馴染まないが、オンラインだったらどうだろうか?
同時通訳の感覚で、オンラインを通して、コミュニケーションができたらどうだろうか?まだ、リアルタイムで、難易度の高い会話を自動通訳できる技術は、世界にはないはずだ。もちろん、研究レベルでは色々と進んでいるとは予想する。
私が例えば、日本語でベトナム人にスピーチをする。その際に、字幕に、ベトナム語訳を出すことは、完全ではないにしても、もうできる時代だ。
私がもっと先で実現してほしい理想的なことは、私が日本語で話した内容が、自動で私がベトナム語で話しする内容に変わってほしい。
つまり、ベトナム語の単語ぐらいしか使えない私が、ベトナム語でスピーチする。
これからも進化するテクノロジーを使えば、充分実現可能だと思っているし、そういう技術を研究している人にも出会ったこともある。
いずれ、世界中の言語で、双方向にこういう会話が成立して欲しいと願っている。
その時の世界はどうなるだろうかと、私は、結構考えることが多い。
やはり、言葉の壁と言うのは、人間関係にとって大きな障害だ。意思の疎通という言葉があるように、仮に意見や主義主張が違っていても、円滑なコミュニケーションができれば、人間関係は良好に向かう。環境問題などにしても、一緒に想いを共有することができる。
私が思っている範囲で言えば、もともと、人類が誕生し、言葉を得たときは、一つだったはずだ。長い歴史の中で、言葉が細分化されていった。
メジャーになった英語がある一方で、少数民族しか使わない言葉も沢山ある。そして、そういう言葉は、時代の進行とともに消えていく。人間はITを発明した。言葉の壁を取り払うためにITを活用する意味は、とても大きいと思っている。
以上