[本文引用]
“米留学、インドが中国逆転”
これは、先月の日経新聞の夕刊の一面の見出しである。
内容は、見出しの通り、ここ最近、米国留学をする出身国の1位にインドがなったということである。グラフも出ていて、少し前までは、圧倒的に中国人が多かったことが分かる。
この話は、結構一般的で、特に象徴的なのがITベンチャー輩出のメッカであるシリコンバレーに多くの中国人が留学や就業している話は特に有名である。
そして、結果、今や中国は、ITにおいても他の先端分野においても、世界のトップクラスに上り詰めた。
記事には、最近の米中関係の影響もあるとは、書かれてはいるが、中国の米国へ追いつけ追い越せも、その必要性が薄れて来たとも言えるのではないかと思う。これからがインドだとしたら、納得できる話だ。
私もインドの人と仕事で接点も少なからずあるが、インドは世界のITのアウトソーシング先として、成長して来た。これからのインドを考えた場合、かつての中国のように米国で武者修行するインド人が、インドの未来を担うと想像するのは容易な事である。
そこで、やっぱり、日本はどうなのか?と考えたくなる。日本も中国や他の国ほどでないにしても、米国留学は根強い人気だ。
しかし、日本の場合は、全体的に海外留学する人が減ってきていたのが実情で、若い人が海外に出たがらないということも、この20年ぐらい言われ続けてきた。まあ、既に日本は新興国とは事情が違って、先進国に学ぶために行くのは、それほど魅力的でもないし意義もないのかもしれない。
私は、仕事柄、圧倒的に新興国体験をしてきたので、自然と、若い人たちに進めたいのは、新興国への留学だ。
もちろん、このブログでも既に書いているが、インターンでも良いのだが、いずれにしても、若いうちに新興国での生活や学びの体験を持ってほしいと思っている。
仮に、かつての中国のように、先進国の米国に学ぶと言う事が留学の目的だったとして、今、日本人が欧米などの先進国で学べることよりも、新興国の方が圧倒的に多い。
その理由は幾つかあるが、シンプルにまず一つ書くと、日本では今体験できない、日本の昔が、新興国には沢山ある。そして、そういう環境に、最先端テクノロジーが活用される黎明期である。
こんな環境は、なかなか体験できるものではない。出来上がった国で生まれ育っていると、これが当たり前になってしまう。不便で不衛生で無秩序で。こんな感じが、新興国や発展途上国の当たり前なのである。
であるのにも関わらず、一見不釣り合いに見えるスマホを普通に使っている。日本で言えば、私がタイムマシンに乗って、スマホを持ったまま、子供の時代に戻っているようなものである。
今の日本での体験や知恵などは何も役に立たないかもしれないのである。
そして、これからの国には、課題解決しないといけないことが山のようにある。しかも、それは、生活を更に豊かにするいうレベルではなく、国によっては、人の生死に関わる課題なのである。
現実に、不衛生や飢餓で、小さい命が沢山失われている。私は、先進国でのSDGsを否定はしないが、その何倍も何十倍もSDGsは、新興国や発展途上国で推進する必要があると考えている。
それには、もちろん、先進国の協力が欠かせない。地球全体で見たら、共有の課題なのである。
こういう状況や環境を体験しておくことが、これからの若者にとっての最先端だと思うし、そういう意味で、これからの学びのホットスポットは新興国にあると思う。
以上