[本文引用]
これからの事業創造にIT活用が不可欠な理由。
このタイトルで書きだすと、とても、1500文字程度では収まらない。
一冊の本には軽くなるぐらい内容は深いが、今回は、この30年の変化という視点で書いてみる。
今や、ITというのは、私たちの生活環境の一つとして当たり前になった。生活者としての私達が、今、ITが使えなくなったらどうだろうか?不便極まりないし、ストレスが一気に爆発しそうである。買い物すらままならない人も続発するだろう。仮に今、電車などの交通機関が止まると、都会は大混乱する。
実際、大震災の時は、こういうことが多く発生した。今、ITが社会から使えなくなったら、不便どころの騒ぎではない。大震災などの未曽有の時でも、SNSが使えることで、何とか危機対策ができる時代である。
このITすら使えなくなったら・・。
また、サイバーテロの話題も、目立つようになってきた。それこそ、映画の世界ではなく、現実的に起こりえるのである。私達の見えないところでも、日々、IT環境は、私たちの生活の基盤として浸透し続けている。
新興国の起業家がそうであるように、日本のこれからの起業家も同じような感覚だろう。
つまり、ITは当たり前。自分たちがITに囲まれた生活をしている。そういう経営環境で起業するのであれは、ITを分からなくて起業できないのは明白だ。
一昔前から、経営資源は、ひと、もの、かね、情報と言われてきた。他にも見えない知的資産なども加えることもあるが、私は、IT環境そのものも加える時代だと思っている。
今や、社会インフラの一つとも言えるし、通信インフラとしてSNSがあると言っても過言ではない。また、スマホ全盛期であり、国民のほとんどが使っている今、少なくともこういう携帯端末無くして、私たちは仕事も生活もできない。
こういう環境で、起業して事業創造することを考えると、自然と、ITを使っていくことになる。少なくとも、事業活動には、顧客開拓、顧客獲得は不可欠で、この部分だけに焦点を当てても、ITを如何に使うかを思案することになる。
当然、組織運営のための経営管理にも、いわゆる業務管理系にITを使うことになる。今なら、クラウドサービスが全盛だ。
事業のフィールドが日本の地方であれ、海外であれ、すでにオンラインで普通にコミュニケーションが出来る。現地に行くか、オンラインで対応するかも使い分けの問題に過ぎなくなった。
意地で、現地で行くことだけを選択していると、到底、スピードで間に合わないしコストもかかる。それこそ、SDGsに逆行である。神戸東京間を新幹線を使わずに、歩きますと言っているぐらい、時代遅れである。
アナログを重要視して直接会う。この基本はこれからも変わらないが、オンラインとの使い分けが常識になった。
話は変わるが、今、日本もようやくフードロスの解決にメスが入りかけている。決して、消費だけの問題でも、流通だけの問題でもない、長年かけて固まって来た仕組み。その時々では意味があった、強固なフードサプライチェーンの問題である。とても複雑で、様々な利害関係者が関わっている。当然、見えないことも多い。意図的に隠しておきたい事実もある。
こういう奥の深い問題にメスを入れて、改善しようという機運は高まっている。これは、どんな業種でも似たようなものだ。これを変えようと言う事は簡単にできる。だが、実現するのにIT無くしては、不可能ではないが何十年も必要になる。
まずはITで徹底的に見える化する。
ITはそれを可能にするツールである。
その上で、色々な立場の人が、実践者となって変えていく。こういう部分の改革に関する事業創造の時代が始まりつつある。
創業50年の中小企業の2代目であっても、20代の若手アグリベンチャー起業家であっても、テーマは違えど、経営環境は同じである。
そういう意味では、これからの経営者がITを知っておくのは、B/S、P/Lを分かっている以上に大事な事である。
以上