[本文引用]
一つの仕事を10年すれば、その分野のプロになれる。私が、新人の頃、何人かの先輩が言われていた事を今でも覚えている。
そして、私は今もそう思っている。
このことを、確かに間違いないと私が実感したのは、40歳過ぎた頃だろうか。
これは、多くの一流の世界で仕事をしている人との接点が蓄積されてきた頃だったと思う。
もちろん、10年と言うのは目安で、TEDトークなどの世界で、一つの楽器のマスターや趣味の世界でも、1万時間が目安になる説もある。
仕事レベルを高めるためには、基礎のスキルが何よりも大事だと私は考えているが、基礎と応用を分けて考えられていない人が多いのも事実だ。
仕事力が何年経っても向上しない人の最大の原因は向上心の欠如だ。少しでもレベルの高い仕事を目指す、少しでも改善する、こういう根底の姿勢がなく、漫然と日々の仕事をこなしているようでは、現状維持すら難しい。
で、こういう人に、もっと、日々の過ごし方を改善したらと言うと、判で押したようにつらそうな顔をして、忙しいんです、目の前のことに必死なんですとなる。
7つの習慣の時間管理のマトリックスである、第二領域の重要性を理解できていない。
仕事力が高い人は、どんなに忙しくても、急用で忙殺されていても、先の事を考えて常に何らかの手を打っている。それが基礎のトレーニングや準備である。
また、世の中には同じ失敗をいつまでも繰り返す人がいる。誰が見ても仕事ができる人とは言い難い。積極的にチャレンジして、失敗する、そして学ぶというポジティブな世界とは違う失敗だ。
簡単に言えば、失敗したことを忘れてしまう。こういうタイプは致命傷で結構世の中には多い。そして、毎回、また、やってしまったかと、その時だけはこたえている様だが、しばらくすると忘れる。
仕事ができる人を、失敗と絡めて一言で言うと、失敗から学んでいく人の事であり、もっと理想的なのは、他人の失敗から学ぶことである。
ただ、こちらについては、必ずしも正しいとは言い難い。
やっぱり、当事者意識と言うのは、自分が失敗してはじめて生まれるもので、人の失敗を見ている限りは、自分事でなく、やっぱり他人事なのである。
そして、失敗から学ぶといっても、二度とと失敗しないと決意する、心に誓う事も大事だが、それだけでは全く不十分である。
要するに、失敗の原因を解明し、再発しないための処置を講じる。ただそれだけでもダメで、対策と言うのは、所詮、仮説である。
だから、その仮説を試してみる。
それで失敗したら、成功するまで繰り返す。だからと言って、対策が一回で良い結果が得られたとしても、安心はできない。たまたま、出来たと言う事は、世の中に幾らでもある。当然、継続することが大事である。
話は変わるが、意外とこういう世界は、コンピューターやAI君が得意な領域でもある。いつまでも、失敗から学べない人は、こういうITのガチガチの仕組みの中で仕事する方が、固い。こういう時代はもう目の前である。
以上