[本文引用]
なぜ組織は変わらないのか?
私は、この20年ほどずっと考え続けている。
というより、自らが運営する組織でも試行錯誤しながら、このテーマにトライしている。
実は、このタイトルの本があり、私が読んだのは10年ほど前。洋書の翻訳版であるが、この手の類の本は、本も分厚いし、なかなか読むのは大変だ。
もちろん、方法論や結論は書いているのだが、それを読み終えたからと言って何か変わるわけではない。何かヒントを探すという感じだ。
実際、この時期は、様々な企業の業務改善や組織改革のお手伝いをしていた。一見、こういう仕事をしているとパターン化された手順ややり方があるように思うし、実際の支援の現場では、ある程度の決められた手順で組織改革を進める方が無難なので、あまりに突飛な事は出ない。
まあ、創業をしての約30年、最初の10年ぐらいは、正直勢いだけで、会社運営をしていたので、組織を構築し強化し、そして経営の結果を残すことをそれほど難しくは考えていなかった。
そして、日本国内だけではなく、ベトナムでも100人ほどの体制になった時も、それほど難しくは考えていなかった。ところが、組織と言うのは、ほっておくと自然と衰退するし、いわゆる組織力は低下するということを、何度も実感するようになった。
ちょうどそんな時に、冒頭のタイトルの本を読んだのである。
もちろん、仕事柄もあって、組織構築や改革、組織のマネジメントに関する本は、数えきれないぐらい読んだ。その中でも、組織は変わらないという表現が一番私に印象に残った。
正確に言うと、組織は一時的には変わるのだが、それを10年継続することは難しい。
世の中では、組織運営についても様々なやり方、方法論が流行る。私が創業した頃は、京セラのアメーバー経営、IT社会が始まった頃は、フラット組織、今であれば、テレワークの進展も相まって、ティール組織だろうか。
トップダウンやボトムアップも部分的であるが、組織運営の考え方の一つである。実際は、もっと多岐に渡り、組織運営の確固たるものないと思う。私もオリジナルな発想の中、色々と試してきたが、解が見つかった訳ではない。未だに試行錯誤中だ。
思うに、人間が集まって組織ができる。それこそ、世の中に同じ組織は一つもない。なぜなら、構成する人間が違うからだ。
改めて、組織とは何かをウィキペディアで調べてみた。
社会科学における組織(英: organization)は、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステムのことである。
これだけの表現でも、なかなか奥が深そうだ。
私達の存在する社会には無限と思われるほど、組織がある。だから、これという黄金の法則は、永遠に見つからないのではと思う。
常に、どこかで誰かが試行錯誤、一時期にしても結果が良かった組織運営が流行する。そして、真似をしてみる。結果、上手くいく部分とそうでない部分が出来る。常に迷いの源泉は組織運営だ。
私は、こういう話題を色々な経営者とするのが好きだが、実は、皆が共通していることがある。それは、一人一人の自立と責任である。自立は自律とする方が私はしっくりくるが、この基本が出来ている組織は、フレキシブルで変化適応が出来、強い組織と考えている。
改めて、そういう組織を目指してこれからも試行錯誤しようと思う。
以上