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ベトナムは、この二十年間、常に日本をパートナーとして選び続けてきました。なぜなら、日本の戦後の奇跡的な発展、そしてその背景にある製品品質やサービス力、チームワークの徹底に対する信頼が揺るがなかったからです。ベトナムの人々は、日本のやり方を学び、自国の発展に応用できると信じて、日本と協力してきたのです。
しかし、そんなベトナムが「待ちきれない」と警告を発し始めたのは、数年前のことでした。ベトナムは積極的に他国とも連携を模索し始め、日本が変化を見せなければ、他の国々と手を組むとのメッセージが強く伝えられたのです。特に、地方のキーパーソンたちからは「これ以上待てない」という声が増えていました。
そして、コロナ禍という予想外の事態が世界を襲いました。このパンデミックは、ベトナムと日本双方に試練をもたらし、特にベトナムは医療水準や危機管理能力に課題を抱えながらも、予想以上の困難を乗り越えてきました。日本もまた、新たな状況に対応する必要性を痛感しながら、今まさに変革の時期を迎えています。
コロナ禍が落ち着きを見せ始めた今、両国は再び仕切り直しをする時期に入っています。ところが、ベトナムはすでに大きく変わり始めているのに対し、日本はまだ過去の成功にしがみついているように見えます。ニュースでは、日本の技能研修生制度での来日候補者からの「日本離れ」が報じられ、ベトナムの若者たちはもはや「日本一択」ではないと示しています。
さらに、ビジネスの現場でも、ベトナムの人々が自信を持ち、自らの力で進化できるという姿勢が強まっています。以前は日本に学び、日本のサポートを求めていたベトナムも、今では自らの手で未来を切り拓く意欲を見せています。IT分野に限らず、様々な分野でベトナムの若い人材が台頭し、日本に依存せずとも発展できるという確信が広がっています。
このような状況を鑑みると、今は日本にとってもラストチャンスだと言えるでしょう。これまでのように、ベトナムからの期待に応えるだけでなく、日本自身が積極的に行動し、新たなパートナーシップの形を模索する必要があります。変化を恐れず、新たなリスクを取り、投資を進めることで、ベトナムと日本の関係をさらに深化させていくことが求められています。
ベトナムは待っているわけではありません。変化し、進化し、次なるパートナーを選ぼうとしています。日本は、このタイミングで新たな一歩を踏み出せるのか。それとも、過去の栄光に縛られ続けるのか。未来を切り開くためには、今こそ日本が行動を起こす時なのです。
11月に、2つのベトナム関連セミナーがあります。どちらも、私もかかわっています。
日本が変わるときです。ぜひ、ご参加ください。