[本文引用]
私が、ITに関わりはじめたのが30年前。
当時と今ではまったく違うことがある。
それは生活のあらゆる場面にICTがあふれているということだ。
PCの普及しかり、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などの
利用が一般的になっていることはいまさら言うまでもない。
交通機関の利用時には交通系ICカードがよく使用される。
交通系ICカードには電子マネー機能を持つものが多く、
買い物もこのカードで済ませることができる。
2013年3月には交通系ICカードの相互利用が始まり、
主要交通機関は全国1枚のカードでこと足りるようになり、
便利なことこの上ない。
また、今の世の中はセンサー社会だと言われている。
センサーとは、対象物の物理状態の変化をとらえ、
信号やデータに変換して出力する装置や機器のことだ。
光、音、温度、圧力、電気などさまざまな現象や対象に
対応するセンサーが存在する。
例えば、エレベータの開閉や警備会社が設置するセキュリティセンサー、
橋梁のゆがみや劣化検査などもセンサー技術が利用されている。
指紋認証や静脈認証などの生体認証システムもセンサー技術が
用いられている。
一方、人工知能(AI)技術も進化が著しい。
GoogleのCMでも見かけるスマートフォンやタブレットに
話しかけ、音声認識し、日本語の入力に変換する自然言語処理にも
AI技術が利用されている。
また、コンピュータを利用して現実の風景に情報を重ね合わせる
技術である拡張現実(AR・Augmented Reality)も、
さまざまな活用に今後期待したい。
自動車を運転する際のカーナビは、人工衛星からの電波で
現在位置を認識するGPS機能が利用されている。
目的地を入力すると、現在位置を示しながら目的地までの
ルートや到着時間が表示され、音声案内してくれる。
ちなみに、建設現場でよく見かける建機にもGPS機能が
搭載され、自動操縦で切削などが行われているものもある。
日頃なにげなく利用している電気製品は、組込技術、
制御技術によってつくりあげられている。
このように、私たちの生活のまわりはICTだらけなのである。
私たちの社会生活や社会インフラはいまやICTによって
支えられているといって過言ではない。
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(近藤 昇 著 2015年9月30日発刊
『ICTとアナログ力を駆使して中小企業を変革する』
第7章 水牛とスマートフォンを知る
-気づかないうちに生活の周りにはICTだらけ より転載)