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【提言23】地方と海外と在宅がつながる時代

ユーザー
サイト管理者
日付
18年12月13日 14時16分
元記事URL(外部サイト)
https://ameblo.jp/kondoh-blg/entry-12425619656.html

[本文引用]

少子化や高齢化が加速度的に進む中、地方は過疎化が進み、
深刻な状況にある。地方経済が疲弊し、都市部への
労働人口集中が進む。そして、ますます地方の過疎化に拍車がかかる。
このような悪循環を断ち切れないままでいる。
しかし、ICT活用によりその状況を打開できるのではないか。
例えば、徳島県神山町のような取り組みもある。
徳島県は知事のリーダーシップのもと、積極的に情報通信環境を整え、
神山町という限界集落でICT企業の誘致に成功している。
この取り組みは、他の自治体も注目している。
東京のICTサービス会社が徳島県の古民家を借り上げて、
事務所兼社宅にし、仕事を進めている様子がマスメディアで
取り上げられたこともある。東京の洗練されたオフィス街で
仕事をするよりも、緑豊かな自然に囲まれた中で仕事をする。
共同生活の中で社員同士の一体感も生まれているという。

同じ徳島県に「葉っぱビジネス」で町が蘇った例がある。
人口わずか2000人で高齢者比率47%に達し、総面積の約90%が
山林の小さな町である上勝町だ。そこでは、料亭や寿司屋で
飾りとして使われる「つまもの」の葉っぱを採取し、
出荷する葉っぱビジネスで全国シェア8割を占めるほどの躍進を見せている。
葉っぱの出荷農家は190世帯で平均年齢は70歳。
主力は手先の器用なおばあちゃんたち。誰もが防災用の無線を利用した
FAX、高齢者用に工夫されたパソコン、農協への連絡用の携帯電話を
使いこなしている。(※データは2016年発刊当時)

このようにICTを有効に活用できれば、地方にいながらでも
ビジネスに関わり続けることができる。インターネットさえあれば、
テレビ会議ができる。商談もできれば、関係者同士の会議もできる。
都市部にわざわざ移転しなくても地方でテレワークで業務を
遂行することも可能だ。そして、日本国内だけでなく
海外とのビジネスも可能になる。

私は、常々地方こそ海外ビジネスを積極的に行うべきだと言い続けてきた。
どの地方も経済活性化のために、国内市場だけで戦おうとする。
地方同士で、限られたパイを奪いあっているだけに過ぎない。

レッド・オーシャン(競争の激しい既存市場)の中で戦うよりも、
成長著しい東南アジアを含めた新興国にも目を向けるべきである。
彼らは、日本企業が進出することを望んでもいる。そこには
まだ誰も気づいていないブルー・オーシャン(競争のない未開拓市場)が
見つかるかもしれない。

よく、国内の地方都市が東南アジアの首都圏、例えば、
ベトナムのハノイやホーチミン、タイのバンコクなどと
連携しようとするが、それは釣り合いがとれない。
東南アジアの首都圏は未来の東京と呼ばれるくらいの勢いで
急成長している都市だ。それよりも、東南アジアの地方都市と
連携をはかるほうがより効果的だ。
地方同士だから親和性は高い。農業であれば、六次化を促進し、
海外の地方都市からインバウンドを推進する。国内の地方と
海外の地方の距離をICTで縮めることは可能だ。

地方で家にいながら、海外とオンラインでつながる。
そこに、地方が今後目指すべき姿がある。
ぜひ、このことを地方の方々は考えてもらいたい。

最後に海外と在宅がつながる事例として、私達が推進している
CAMS(キャリアマザーズ)の仕組みを紹介したい。
CAMSは働く母親を中心に、仕事の機会の提供をサポートする
ICTを使った仕組みである。何かの事情で在宅でなら
働くことができるという女性は多い。

 

20160815-3-1


この労働力を活用することはこれからの日本の至上命題でもある。
また、海外駐在を共にする女性も多い。当社は日本企業と
海外企業の橋渡しビジネスを積極的に行っている。
特に中小企業の場合だと、通訳の問題は海外ビジネスの
大きな障害になることが多い。私達自身も海外でビジネスを行う際は、
通訳を如何にタイムリーに適正に配置するは大きな課題であり、
数年前からオンラインで通訳が商談などに同席するスタイルを
実践してきた。今後は海外や日本の在宅のCAMSスタッフを中心に、
語学スキルを活かしてもらい、オンラインで通訳として
活躍してもらう仕組みを整備していく予定だ。
まずは注目度の高い東南アジアエリアにおいて本格的な
サービスを開始する準備を進めている。

 

 

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(近藤 昇 著 2016年10月15日発刊

『もし、自分の会社の社長がAIだったら?』

 PARTⅢ 日本人への提言

 -【提言23】地方と海外と在宅がつながる時代 より転載)