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【提言27】もし、自分の会社の社長がAIだったら?

ユーザー
サイト管理者
日付
18年12月19日 11時16分
元記事URL(外部サイト)
https://ameblo.jp/kondoh-blg/entry-12426901270.html

[本文引用]

2016年5月17日の日本経済新聞の一面に「AI社長の下で働けますか」
という記事が掲載された。まさに、AI社会の未来を予見する記事である。
その記事の中には「決断が人の役割」とも記されている。
早速、その後のセミナーや講演、会社説明会などで毎回引用している。
インパクトのある記事だ。

なぜ、この記事をそれだけ活用しているのか?
それは私自身が、社長の仕事の半分以上はAIで代替できると思っているからだ。
いや、正確にいうとAIに代わってほしいとさえ思っている。

実際に私が日々行っている仕事の大半は、現場把握、情報収集・判別、
ビジネスチャンスの発掘、リスク察知などだ。
そして、日々の多くのメール処理など。確かにAIでも問題なく
処理できるだろう。もちろんそれは数年先、10年先のAIも含めた
ICT活用で、という意味であるが。

社長業というのは、一見するととても属人的な業務の連続に
映るかもしれない。好奇心旺盛で大胆で平気でリスクテイクする。
創業者は特にそうだ。少なくとも、日本の高度経済成長時代を支えてきた
中小企業のタフな社長のイメージがオーバーラップするだろう。
とりわけ、中小企業の創業者はとてもアナログ的でAIとは
無縁であると思われている。この点は私もそう思う。

ここで、少し社長の仕事を考えてみよう。組織を創り、組織をリードし、
チームで成果を出すための強力なリーダーシップが必要である。
そして、事業の創造、マーケット開拓などの先見性やチャレンジ精神も
条件である。あとは、日々発生するリスクや問題に的確に処理する判断と
対応策の指示も必要だ。もちろん、部下に何を任せて、自分が何をするか
という権限移譲の責任範囲の明確化なども人事制度の構築と運用と併せて
不可欠なものである。社員育成は当然、社長のする仕事のひとつである。

そしてもうひとつとても重要な社長の役割がある。それは「決断」である。
山で遭難したときに誰が決断するかという類のものでもある。
そのためには、社長自らが一番感度の高いレーダーの役割を
果たさなければならない。空港の管制塔をイメージしてもらえれば
わかりやすい。今の時代、いうまでもなく情報過多の時代である。
さまざまな要因が重なってのことであるが、この流れはますます加速する。
今や中小企業といえども、世界の経営に関係する情報を
キャッチアップできる時代である。今すぐにアフリカでビジネスする、
しないは関係ない。経営判断するための情報収集の範囲が
すでに地球規模に広がっているのは間違いない。

一方、日本国内を見ても、地方活性化、シニア活用、インバウンドの
増加など、地方の情報にも精通しておく必要がある。
毎日のようにAIやロボットやビッグデータなどの言葉が
メディアを賑わしている。これらのテクノロジーや仕組みを
経営判断のためのツールと考えるのも正しい。
そして、経営環境そのものに影響を及ぼす、社会やビジネスインフラの
変化という言い方もできるだろう。

さて、冒頭の話に戻ろう。社長の仕事はAIで代替できるのか?
皆さんどう思うだろうか?社長という立場以外の方、つまり一般社員が
「もし自分の会社の社長がAIだったら?」で考えるとどうだろうか。
自らの会社の社長が生身の人間ではなく、AIという得体の知れない
技術に置き換わってしまう。しかし、それでも会社はなんとなく
普段どおりまわっている・・・。
これは一体どういうことなのだろうか・・・と考え込んでしまう。

もちろん、職業や経験、ICTへの精通度、関心度などの違いで
反応は千差万別だろう。そもそも、AIを詳しく知らない人も多い。
ICTでさえも世間の大半が知らない。
当然、冒頭の記事の言いたいことがチンプンカンプンの方もいるだろう。
それも当然だ。AIをなんとなく知っている人でもICTアレルギーの人は
「そんな時代は来ない」と確信めいたように語る。
おそらく「来ない」のではなく「来て欲しくない」のだろう。
「人間が主役の世界からAIが主役になる?」
そんなことはアナログ派には許されないストーリーなのだ。
これはもっともな話である。私もそう思う。これからもずっと
人間が主役であるべきだし、そうでないならテクノロジーや
科学技術の発達は意味をなさない。

しかし、現実を直視することは大切だ。すでに、日本のような
先進国に限らないが、ICTは私達の生活や仕事に組み込まれている。
いまさら、これを否定できない。役に立っているか否かの問題ではない。
無駄なエネルギーも使わずに、歩くことがいくら環境に優しく、
健康に良いといっても、いまさら車がなかった江戸時代には戻れない。
社長が日々、長年の失敗経験やさまざまな情報などを頼りに経営判断をする。
時には、会計士などの専門家などにも相談する。
弁護士も企業経営のリスク対策では欠かせない。
しかし・・・そんな会計士や弁護士などの仕事は残念ながら、
AIにとってかわられる職業の代表格であるのは間違いない。
それは、知識と経験と論理的対応力が主たる仕事であるからだ。
つまり、AIが最も得意とするところである。この領域で人間が
AIと張り合ったところでかなわないことは、チェスや囲碁界の
トッププレイヤーがAIとの対局で敗北を繰り返したニュースを
見ても明らかである。

おもてなし業やサービス業もICTの余波はおよぶだろう。
しかし、これらの専門職は、ホテルの受付がロボットになる・ならない
の次元の話ではない。ホテルのサービスの場合、顧客が望めば、
人によるおもてなしやサービスはなくならないはずだ。
しかし、人によるおもてなしを望むなら、ある程度の出費を覚悟して
満足を得る時代へと移行するだろう。人手不足の日本国内は
そういう時代が到来している。ホテルだけでなく、
レストランなども同様のことがいえる。

一方、職人や専門職はどうだろうか?
これらは随分前から、よく経験と勘と度胸の世界といわれてきた。
ノウハウの伝承には暗黙知ではなく形式知が必要であり、明白である。
そのポイントは他人が見えるように記録しておくことだ。
記録になってしまえばICTの領域に組み込まれる。
そこにAI的に膨大なデータや情報を使って判断し、
ロボットやIoTの仕組みを介してさまざまな作業ができるようになる。
とても効率的だし、合理的だ。なによりも、人間が疲れなくて済むし、
ストレスも