[本文引用]
今地球上で生活している人にとって未体験といえる世界的な危機。
このコロナ危機を克服して、果たして人類がどう変化、進化できるだろうか?
ネットで調べると感染症によるパンデミックはこの100年でも何度か発生している。
もっと遡れば想像を超える甚大な被害を人類は何度も経験している。
過去の情報で感染症との戦いの歴史が分かる。
しかし、今回のように急速に世界同時に同じ危機意識が高まったのは人類史上初めてではないだろうか?
私は経営者としての立場があるので経済的打撃に関しては人並み以上には心配はしている。
しかしそれ以上に今を生きる一人の人間として、今回のコロナ危機は私の最大の関心ごとである。
もちろん、実際は身近なところでの心配事は沢山ある。私も日常、国内外でビジネス活動や生活をしていて正直、今日の不安を感じることも少なからずある。
そして責任ある立場としてコロナ危機によるリスクの回避に神経をとがらせているつもりだ。
できるだけ様々なエキスパートと連携して対策を講じている。
そんな中特に、何よりも大切なのはピンチの時ほど前向きでいることが重要であると考えている。
人類はこの危機を克服して、新たなステージに向かうと私は考えている。
その理由を書きたいと思う。
今回の危機は過去の類似のものと比べて、2つの大きな特徴があると思う。
一つは、現在の世界は国をまたぐ人の移動の量が半端ではなかったということ。
私も海外が多いのである程度は分かっていたが、現代社会がここまで人の移動が多いとは思わなかった。感染症が発生して最初は中国人の移動がクローズアップされたが、今となっては世界中の人の移動が複雑すぎて把握できない。
あちこちで人がつながっているから世界への感染も早い。世界が同時に危機に直面した最大の理由だと思う。この危機の最中に世界のハブ空港の一つドーハにいたので改めて痛感したことでもある。
そして、特徴の二つ目は世界の情報が共有される状態にある。
ネットによる情報のつながりで見える化が劇的に進んでいる。ということである。
ネットの情報に真偽様々入り乱れるのは仕方がないとしても、大げさに言えば世界中で発生しているネガティブな情報も見る気になれば誰でも見られる。(もちろん、情報統制や遮断する国もあるが)それが今なのである。
人生において、巡り合わせとは不思議なもので、実は一か月ほど前から二週間、私は当社の拠点があるベトナム、ルワンダに出張していた。社員もそれぞれ雇用しているので、日本と同等以上に両国への関心も強い。
あの時に一番感じたこと。
日本はどちらかというとのんきだった。
一方新興国の彼らはすでにハイレベルの危機感を持っていた。
感染者も世界的に広がってきた今となっては、日本国内にいる人でもこのコロナ危機は世界共通のピンチであると分かってきた人も多いと思うがまだ一部だ。やはり、日本は良い国過ぎて正常性バイアスが働き過ぎているのか、日本国内の心配だけをしている人がまだまだ多い。
世界全体の危機にも気づかずに。
なぜ、新興国の人たちは、日本より先に危機意識を持っていたのだろうか?(例えばその時のベトナムは感染者16人、ルワンダはゼロであった。しかもルワンダは発生源の東アジアからはとても遠い。)
それは、やはりネットでつながっているからである。その気になれば、生活者のレベルでも世界のどこで何が発生しているかを知ることができる。そして、先進国よりも医療面やあらゆる面で遅れた自国に感染症の蔓延を想像する。
何が起こるかを敏感な人はすぐに悟る。
中国で発生した当初は、日本も含めて世界のほとんどの人にとって対岸の火事と思っていた。
私もその一人であった。
それがベトナムに行ったことで私は意識は変わった。その後わずかの間に、世界共通の大きな心配事になったのである。
温度差はあるとはいえ、
かつて世界中の人が同時に自らの命の危機を感じ世界全体が不安と心配に包まれことがあっただろうか?
今回の危機はほぼ世界同時発生である。
そしてネットでつながっているからこそ、
見える化によって情報の共有がなされ世界に良い意味でも悪い意味でも一体感が生まれつつある。
一方これから期待される肝心なコロナ危機対策はどうだろうか?
医療や専門的見地からの話は私にはできないが、
この人類史上初といえる危機