[本文引用]
自分がリーダーシップを発揮して、
起こるかもしれない危険を未然に回避する。
あるいは、不幸にも発生してしまった危機を俊敏に対応して、
できるだけ損失を低減させる。
いずれの場合も、ハイスキルが要求されるしメンタル的にもタフである必要がある。
そして、発生した危機に対して、先頭に立って対策するのは、
火中の栗を拾う。という諺もあるように勇気もいる。
古今東西、映画やドラマの世界であれば、
大きな危機の時は必ずスーパーヒーローが登場し、あっという間に危機を解決してくれる。
そういうストーリーはいつの時代も人気があるし人の共感を呼ぶ。
また、普段、そういうスーパーヒーローは平時は目立たず普通の生活をしていたりする。
人間は、自分がスーパーヒーローになるよりも、
いつも心のどこかでスーパーヒーローの登場を待ち望んでいるのかもしれない。
今、世界は深刻なコロナ危機の真っただ中である。
国単位は言うまでもなく、世界の総力を結集した危機管理力の俊敏な発揮を期待したいところだ。
当然、誰がリーダーシップをとるかという事も重要だ。
評論する人の存在も意味があるが、勇気ある実践者がいないと根本的な解決にはならないだろう。
今回のテーマはリスクマネジメントのジレンマであるが、
リスクマネジメントというのは実に難しい。
結果は分かりやすいが、その因果を説明するのはとても難しいことも理由の一つだ。
私が今回書く範囲は、中小企業の経営者の立場での話ではある。
私は、創業時からリスクと危機の違いを区分して使う。
危機は分かりやすい。今起こっているピンチである。
一方、リスクは分かりにくいですが、日本語を当てはめれば、危険である。
20年近く前に発刊した、自社の小冊子“IT活用時代のリスクマネジメント”から引用して説明する。
“リスク”とは、「悪い出来事」そのものや「悪い出来事」につながる可能性のある物事、 そして悪い出来事から出てきた「悪い結果」を指して言う言葉だ。