[本文引用]
そろそろ、「バカモン2」を書こうと思っている。
別に何かに腹が立っているわけではない。
約13年前、「バカモン」を発刊した。
私が40代半ばのころである。
感覚的に言えば、
20代にのほほんと働いていた自分自身の反省と、それまでに接していただいた方々へのお礼の気持ちも重ねて書いた。
もちろん、私が子供のころからおぼろげながらでも、抱いていた人付き合いや気配り、それと生き方の道しるべになるような内容もベースにはした。
この本を出版して思わぬ反響はあった。
それは親戚で話題になったことだ。
私の叔母にあたる方が、偶然、本屋で見つけたようだ。
巡り巡って、私の母親は親戚からこの本の存在を知った。
母親が、“どんな本なん”と言った言葉が今でも鮮明だ。それまで、私は自分の本を母親に渡したことがなかったからだ・・・。
親戚の間では一時期結構話題になったようである。
一つは、あの“のぼるさん”がね。
という良くある話である。
私は超引っ込み思案だったので、そのギャップもあったのだろう。
もう一つは、親戚の一人が経営者で、100人ぐらいの社員教育に使った。という話も加わった。
もともと、日本国内の企業の社員研修も数多く引き受けていた頃だったので、幹部研修読本にはちょうど良いようには構成していたが、
親戚の会社で使っていると聞いて、妙にむず痒い感じがした記憶がある。
もともと「バカモン」を出版した時には、
だいだい10年に一回ぐらいのペースで「バカモン」を出そうと考えていた。
その一番の理由は、私の年相応の内容にしていきたかったからだ。
このバカモンの想定読者ははだいたい40歳ぐらいまで。
私はそろそろ60歳になる。
自分が通り過ぎてきた40代、50代を見ていて、何とも言えないさみしい気持ちと何とかしたい気持ちがある。経営者として働く人を見ているという事もあるが。
本当は大人にならないといけない世代なんだろうけど、大人になり切れていない男性が多いなと、強く感じる今日この頃である。日本の危機でもある。
人生100年時代は今や日本では定着した感がある。
しかしながら、いまだに人生70年時代の感覚で生きている大人が多い。
ある意味仕方がないのではあるが・・。
前提が違っていたのだから。
私や彼らが社会人になった頃、こんなに人生が長くなるとは思っていなかった。
この20年、30年前に高齢化の心配をしていた人は皆無だった。
少子化にしても20年前は、データ上の事実としては知っていても現実的に考えていた人は少なかった。
簡単に言えば、今の大人たちは、知らない間に社会が変わってしまったともいえる。
エスカレータに乗っかって順調に定年し定年後の10年から15年を楽しむ。こんなイメージだったと思う。だから社会の変化に適応できていないと思っている。
少し、現実的な仕事の話に戻そう。
私は、仕事は常にシンプルに考える。
もちろん、経営も仕事の一つだが、これはシンプルに考えたいが、あまりにも不確定要素が多すぎて、やればやるほど、仕事のスキルだけでは乗り切れない部分があると痛感している。その一つはレジリエンス力だ。
そんな中、今でも現場の仕事に関わることは多い。現場の仕事は面白いし、昔取った杵柄も生きるからだ。
一般的には40歳越えると人は“変わらない”と言われる。
これは中途社員を採用するときに一番意識する。
ある中堅製造メーカーの社長は、40歳以上は絶対に採用しないと言い切る。
一方、私は、何歳になっ