[本文引用]
新興国でビジネスをするようになった20年以上前から、日本を客観的に見ることが多くなった。
高齢化社会、ストレス社会など日本の課題は山積みである。
一方で、日本や日本人の評判は総じて高い。
新興国の人が日本に初めて訪れると、美しくて便利で親切なと国いう驚きと感動入り交ざった印象を持つ。
日本には他にもよいところが沢山あるが、この親切な国について少し考えてみたい。
日本は本当に親切な国なのだろうか?
新興国の人が接する親切なという意味には、私は2種類があると考えている。
一つは、日本の見知らぬ街を歩いている時に道を尋ねるような時である。
もう一つは、空港、店舗、レストランなどでサービスを受ける時だ。
前者については、昔の日本はそうであったと思うが、最近の日本は日常生活で親切な人が多いとは思えない。特にお年寄りに対してのケアはベトナムなどの新興国の方が抜群に上だ。
では、新興国の人達が感じる日本の親切さとは何かであるが、それは後者のプロのサービスのことである。
確かに、海外と行き来している私の経験上も日本のサービスのレベルは群を抜いている。徹底的にCS(Customer Satisfaction 顧客満足度)の向上を訓練しているのは私たち日本人は容易にわかる。
私は20年近く前から企業支援の現場でそういうお手伝いも少なからずしてきた。
日本が良く見られるのは嬉しいが、ただ、日本の現状を知っているだけに、日本のCSの状態が決して良いとは思えない。
ベトナムなどで企業に対して、サービス力向上の研修や現場サポートを長年経験してきて思うのだが、一般の人の親切さは新興国の方が日本より明らかに高い。街を歩いていても感じる。当たり前と言えば当たり前だが、日本の昔の田舎と似ている。
一方、商売としてのサービス力は日本がはるかに上である。
しかしながら、日本の実際のところは私は行き過ぎのCSだと思っている。
以前にもブログに書いたことはあるが、日本にはモンスタークレーマーが頻発している。ますますエスカレートするばかりである。商売とは別の教育の現場でのモンスタペアレントの登場などは随分前の話である。
店員や先生など相対して対応する側の心中察するに余りある。
こういう日本の現状と新興国ベトナムの現状を比較して思う事がある。
私なりの理想的なそれぞれ目指す方向であるが、ベトナムは今の個人個人がもっている親切さを失わないように、CSの向上を目指す。
CSの向上についてはベトナム人自体も訪れる外国人もそれを期待しているから今よりは改善するる方が望ましい。だがその一方で、日本のような行き過ぎたCSを反面教師にしないといけない。なぜならば、日本のようなストレス社会の大きな原因になる。お客さんもサービスを提供する側も結局は疲弊する。