[本文引用]
皆さん、日本人が知らなくて、アフリカの人が知っている日本人の強みを分かりますか?
ジョハリの窓はご存知かと思う。
特に、自分が知らないが他人が知っている自分に注目することは大事だ。
ビジネスで言えば、顧客満足度の向上などのシーンでよく出てくる。
例えば、お客様の潜在クレームに意識を向けることがそうだ。
自分が気付いていなくてもお客様が思っていることを察することは大切だ。
これはビジネスだけでなく日常生活でも当てはまる。
自分の癖や特徴は意外と知らない。
結構身内や友人たちが客観的に見ているし、
そもそも、母親などは自分が忘れている子供のころの性分や癖をよく知っている。
今までの人生で、母親の言っていることが、当たっていると何度思ったことか。
これと似たようなことが、新興国ビジネスでも色々と当てはまる。
日本の良さは新興国の方がよく知っていることも多い。
私は長年、ベトナム中心の新興国ビジネスをしてきて随分前から確信に至っていることがある。
そのうちの一つが日本は信用されている。ということである。
それを私の造語で“信用ビジネス”と定義して、日本は新興国で信用ビジネスをするべし。
と発信してきた。
特に中小企業は信用ビジネスを軸に海外進出をするべきだと日本の経営者に伝えてきた。
これは、私がベトナムなどで活動している中で、自然に身についた感覚と言うよりは、
ベトナム人の経営者や自社の社員に教えてもらったというのが正しい。
そのきっかけを書くと、私は、10数年前、ベトナムのスーパーで買ったテカテカのリンゴをよくかじっていた。
私は果物は好きなので、手っ取り早く、特段何も考えずによく食べていた。ある日、男性社員にこう言われた。
近藤さん、そんなの食べていたら死にますよ。
どうして?
それは中国産ですから。
そうなの、じゃあ、ベトナム産なら良いの?
ダメです。同じです。私はベトナム人だからよく分かります。日本のものが良いです。
その後、ビジネスパートナーからは、
近藤さん、日本からベトナムに企業進出を支援しているのだったら、日本の信用をベースにビジネスを展開するようにしたら良いです。
アドバイスをもらった。この時ほど腑に落ちたことはなかった。
これ以来、私は“信用ビジネス”という言葉をあらゆる機会に使ってきた。
一方で、日本の経営者がこのことに気づいているか?本気で取り組んでいるか?と言えば、残念ながら、私が思い描いて