[本文引用]
今、日本国内だけに限らず、地球規模でIT社会が進展している。
しかも、専門家以外の人がほとんど気付かないところで。
IT活用は、もはやビジネスの世界だけではない。一般の生活者の知らないところで、自分たちの周りは、日々、ITが生活やビジネス、社会インフラの一部として、浸透している。
そんな中、今回のコロナ危機で日本国内では、一気に在宅勤務が始まり、オンラインを活用することを多くの国民が体験することとなった。
テレワーク体験による社会全体の気づきも生まれつつある。
ワーケーションの真の意味も分かり始めていると思う。
生活者をベースとしてITの利用者が様々な体験をしたことの意味はとても大きく、今後は、生活者目線でのIT活用のイノベーションの創造やIT社会の発展が期待される。
ITの専門家の目線や考えでの新しい有益なサービスの出現を期待することも大事だが、それ以上に、生活者の現場のニーズや改善案に期待するべき時代だと思う。
今回のような緊急事態の中でメディアやSNSでIT活用に関する情報が溢れている。
そして、あらゆる分野でのIT活用が声高に叫ばれている。
しかし、IT活用だけが独り歩きすると、IT社会のリスクが増大する一方である。
また、インフォデミックと呼ばれているが、あふれる情報が社会や生活者を混乱させる時代でもある。
私の口癖でもあるが、ITは魔法の杖ではない。人間が主体で、人間が人間らしく生き、人間らしく生活するためのツールの一つに過ぎない。
IT社会の進展によるリスクとしては様々なことが懸念される。特に情報セキュリティリスクが高まっているのは周知のことである。強制的なIT社会への転換は、昔から問題視されてきたデジタルデバイドの増大につながるし、高齢者に代表されるようにIT活用弱者が増加し、さらに厳しい環境に追いやられる懸念もあるのである。
やはり、日本は時間をかけてIT社会に適応する準備が必要だと思う。
特に日本の場合は、IT活用が完全でなくてもすでに先進国である。だから余裕がある状態でもある。
日本にも変革は必要だが、その国の状態にあったIT活用が大事だ。
ハードランディングてはなくソフトランディングが日本には適していると考えている。
だからこそ、人間自身に焦点を当てるべきなのだ。今、流行りつつあるワーケーションにしても企業の論理だけで進展してはいけない。
老若男女多国籍で日本に住んでいる全員が関与して新しい働き方を創造する機会にするべきだと思う。
便利さや効率性の追求だけのIT活用ではなく、
老若男女、ハンディキャップのある人など世界の全員が幸せで豊かな社会生活をおくれる社会の構築にITが寄与する事が必要だ。地球規模の全体最適を思考する時代なのだ。
健全な地球、健全な社会の進展にIT活用が寄与することが重要と考えている。