[本文引用]
最近、ますます、本の価値と役割が分かってきたような気がする。
ビジネスとして、本と関わって20年であるが、最近特に紙の本に愛着が湧いてきたのと、本一冊一冊の重みというか価値を以前より、より深く感じるようになった。
この数か月、ふとしたきっかけで関心がある本を数珠つなぎで探しては、購入している。
こんな時期に、折角見つけた本、出合った本をとにかく手元に置いておきたかった。
一期一会というか千載一遇というか、このチャンスを逃すまい。
こんな心境であったことは間違いない。
こんな感じで買った本がこの半年間でざっと300冊ぐらいは越えたと思う。正直、到底いますぐに読める量ではない。実際に読んだのはこのうちの30冊ぐらいだ。
もちろん、購入した本はすぐに著者プロフィールと目次には目を通す。これだけでも私の目的の一部は達成できているとも言える。そしてまた、探し当てたい本が毎日のように増えていく。
そうそれは子供のころ砂浜でした宝さがしに似ている。
改めて、本は自分の人生で相当な意味があり、世の中には価値がある私にとっての未知の本が無尽蔵にあることに気づいた次第である。
こんな感じで本と付き合っていて、今は結構な満足感と発見がある。それとこれからの更なる楽しみが沢山ある。
買った本は、すでに持っていた本と混ざってしまったが、今は便利な時代だ。ほとんどがAmazonでお世話になったので、購入履歴を見れば、いつ何を買ったかがほとんどわかる。
これはこれで、振り返りとしても購入履歴は役に立つ。
自分で初めて書籍を発刊して約20年。出版会社カナリアコミュニケーションズを創業して約17年。約600冊の本を世に送り出してきた。
設立当初は、後発ながらメジャーな出版会社を追っかけようとした。単純に出版ビジネスに挑戦した訳である。しばらくは新規参入した出版事業を試行錯誤してみて、スタンダードな出版会社を目指すことは幾つかの理由で諦めた。
そして、オリジナルでオンリーワンな存在の出版会社を目指す方向に切り替えた。出版会社を創業して3年目の事である。
そして“時代に警鐘を鳴らす”という指針を掲げて、本の存在で少しでも人に良い影響をしたり世の中を変えるきっかけにしようとしてきた。
最近は、ここに“時代を牽引する”という役割も持たせた。
ますます、世界が目まぐるしく変化し情報が溢れる時代、そして一般の個人もSNSなどで自由に表現したり情報発信できる時代、新たな領域で出版という役割と機能が大きな可能性を秘めてきたと思っている。
今は電子書籍の時代でもあるが、それ故に紙の本の価値が増大すると思っている。
右肩下がりの出版不況下で、再び紙の本の売り上げが伸びるという意味ではなく、価値が増大するということだ。マーケティングの世界でよく登場する付加価値の発見という事だ。
コロナ禍での想定外のこの行動制限のおかげで、普段ではできないことが沢山出来た。
災い転じて福となす。本の真の価値と役割を再認識することが出来たのもその一つだ。
それは本は“人をつなぐ”ということである。
もともと、メディアとは媒介という意味がある。情報が人をつなぐという解釈もできる。
私はそろそろ“情報感度を磨け”を発刊しようと準備をしている。
その中に登場する予定のネタの一つだが、情報の掴み方として、蟻の目、鳥の目、魚の目を意識して普段を過ごしている。
今にして思えば、コロナ前は特に魚の目にウエイトを置いていたように思う。海外も含めて活動していた関係で、魚のように自分が動いている訳で、俊敏に動きながら情報の変化の流れに沿って視界に入ってくるものに目が行く感じだ。自ずとキャッチする情報は流れの中にあるものになる。うまく表現できないが、これは能動的なようで、今振り返ると受動的な情報収集になっているような気がする。
本も飛行機の中で読むこともあるが、それは動きながら入ってくる大量の変化する情報からしたらほんの少しだったと思う。
だからこそ、結果時にはその頃は、本に浅く接していたという事も言える。
いま改めてこの半年間を振り返ると、こうして数か月もほぼ一か所にいて、じっくり周りを見ることが出来た。これは蟻の目である。細部に目が行く。
加えて、今はネットなどが発達しているので、