[本文引用]
先日、私が早朝行っている
ライブ配信“ブレワ”で
“働くことを考える”というテーマで話をした。
この時に、ダブルワークについても取り上げたが、今、ダブルワークが改めて注目されてきた。
一言でダブルワークといっても様々な意味と長年の実態がある。
まずは、国が定める副業・兼業の定義を確認してみる。
【労働者】
① 離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
② 本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
③ 所得が増加する。
④ 本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。
【企業】
① 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
② 労働者の自律性・自主性を促すことができる。
③ 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
④ 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
知る人ぞ知る世界は何事につけても存在する。
このダブルワークに含まれる副業は、日本でも知らないところで、随分前から行われてきた。 例えば、昼間はオフィスワーカーで夜や休日に配達員や工事現場。昼間は工場勤務で夜は居酒屋。昼間OLで夜はスナックやバー。実際こういう人たちのブダルワークで社会は成立している部分があるのも事実である。
この人たちは基本的に収入を増やしたいから働くケースが多いと思う。
今までは、原則本業以外の仕事やアルバイト禁止の会社が大半だ。
色々な背景があるにしても、一般的には本業にちゃんと専念して成果を上げていれば、日本であれば、平均的な生活はできる。
また、高度経済成長期では、社員は属する会社に忠誠して一意専心で働く。こんな風潮があったようにも聞いている。
そして、それは終身雇用制や年功序列というある程度保証された社会の仕組みがあればこそ出来たことでもある。
それがこの20年以上に渡って大きく変わってきた。平均賃金はずっと横ばいである。
デフレ基調で生活費が劇的に増大したわけではないにしても、消費税、社会保険料などは増加傾向である。それ以外でも何かと収入は増やしたい。
もちろん、特別な事情で金銭面で窮地に陥り、やむなく掛け持ちで働かないといけない人も少なからずいる。
私も周囲にも金銭面で苦労して、頑張って働いている人も知っている。
しかし、一方でほとんどの会社が制度上副業禁止である。立派な会社になればなるほど厳格である。
こうい実態がある限り、誰にとっても利益となるように、一気に解決できるとは思わないが、マイナンバーを導入することが決まり、税徴収の一本化が進めば解決するきっかけにはなるだろうと思っていた。ところが、マイナンバーの普及はいまだに進まない。
こんな背景の中、コロナ禍をきっかけに、一見バラ色に見えるダブルワークの話題がメディアで目につくようになった。テレワークやオンラインでビジネスする機会が増え、大手の会社がダブルワークの勤務者募集の求人広告が出ると皆さんはどう思うのだろうか?
こういう採用を大々的に打ち出す企業の本音はどこにあるのだろうか?
色々と思いを巡らしてみる。
まずは、採用する側には大義名分がある。
今、どこの企業もイノベーションの創出に躍起だ。社内ベンチャー制度から始まり、オープンイノベーションになり、今は、CVCが主流と言えようか。
そういう観点から、優秀な外部人材の一部の知恵や経験、アドバイスを活用する。これはもっともな話である。この役割は労働時間の期待ではない。企業の期待値は付加価値であり、実力主義、成果主義のニュアンスだろう。
そもそも、どこの会社でも仕事は出来る人に集中する。私も自社の経験と様々な業種、規模の会社を見てきたが、どこの