[本文引用]
神戸三宮のフラワーロードの花壇が、年中、美しくなったのは、いつの頃からだろうか?
私は、人一倍、花を観察するのが好きだ。
農村で暮らした子供の頃は、朝顔やチューリップを育てたり、ヒヤシンスを栽培したり、花の種をたくさん買ってきて庭に植えたり、とにかく花と関わる時間が多かった。
長年神戸に住んでいるが、記憶を頼りに書くと、フラワーロードの花壇は大きく変わった。10年ぐらい前は、冬には花がなくなり、夏の花は咲いてはいたが、常夏の日は花がぐったりしていたと思う。
これはこれで、私が子供の頃から感じていた自然の姿だった。
鑑賞していても心地よかった。
神戸は有数の観光都市だ。
それでも年々、危機感が高まっている。
特にここ最近は、神戸の人気にも陰りがあるのではと思うようなことが増えてきた。
観光客は、京都大阪方面に向かい、神戸での泊り客は年々減ってきている。
そいう背景もあり、神戸市は観光客の誘致にも力を入れている。
他にも頑張っていることは沢山あると思うが、特に美しい街の強化に力を入れている実感がある。
その象徴がフラワーロードの花壇だと思う。
私の自宅からオフィスまで徒歩で約25分ぐらいだ。流石に出張が頻繁だった時は、花壇を観るのは月に数回程度だったが、コロナ禍になってからは頻度が増えた。
定点観測とは面白いもので、花壇を毎日のように眺めていると、花壇のそれぞれの違いや、一つずつの花の特徴が発見できる。
実は今年の7月から、ブレインワークスとしてスポンサー花壇を始めた。
このフラワーロードは、区画された花壇に企業がスポンサーをしている。
この制度は以前から知っていたが、コロナ禍の中でふと思い立ち、スポンサー花壇に参加した。
行政が取り組むスポンサー花壇の仕組みやアイデアに関心が強かったのと、花壇の維持メンテナンスの方法などを知る機会にもなると考えた。
もう一つの強い動機は、自然産業研究所という会社を引き受けた縁もあって、自然についての研究テーマと考えたという理由もある。
もちろん、神戸を拠点の当社として、神戸に貢献したいのは当然としてである。
最近は一年中、色々な花が美しく咲いているフラワーロードの花壇。
だから、いつ観ても心が和む。
一方で、日本本来の季節感はすでにない。
私が子供の頃から、おぼろげながら覚えてきた季節の花とは明らかに違う花が美しく咲いるのである。
私は品種改良か外国産なのかもしれないと思っている。
品種改良と言えば、ササニシキが有名だ。本来は寒冷地では育たない稲を品種改良してブランドのコメが誕生した。きっと、こういう技術を応用して、花の世界でも寒さに耐えうる品種が誕生していることだろう。
このフラワーロード花にしても、きっと通りすがりの観光客なら、私のように品種改良か外国産かどうかなどは考えないだろう。
どちらにしても、美しい神戸を演出している価値は高いと思う。
一方で、日本固有の自然で考えた場合、冬や夏に咲く花も、在来種であって欲しいと思う気持も強い。品種改良にしてもそうだが、古来の品種はいったいどこにいけば、巡り合うのだろうか?
こんなことを時々思いつつ、これからもフラワーロードの花壇に関わりながら