[本文引用]
私は、ベトナムで韓国人としか言われたことがない。
ベトナムにある韓国のコンビニやレストランに行くと、アンニョンハセヨとカムスハムニダと必ず挨拶される。日本語では、こんにちは、ありがとうだ。
ゴルフ場で遭遇しても、やりとりが全く自然で、仲間扱いだ。
もともと、ベトナムには韓国人は日本人に比べて圧倒的に多い。
これは20年前からさほど変わらない。
実際、ベトナムに在留する日本人は年々増えていて、今では2万人強になっていると思うが、韓国は約10倍である。1:10であることは以前から変わっていない。
これだけ見ると、ベトナムは韓国が席巻する社会とも言える。
しかし、私の友人は中国人と言われたりする。
しかるに、私たちが東南アジアを巡っていると、日本人はだいたい4パターンになる。
一番多いのが、韓国人、中国人、その次が日本人。もう一つが地元の人。タイならタイ人と言われたりする。実際、私の日本人の部下はベトナム人と呼ばれることも多々あった。
まあ、他愛のない話ではあるが、経営者同士の会話でも話題の上位だし、結構奥が深かったりする。
日本人は、勝手なもので、アジアであれば、どこの国にいっても日本人と認識してほしいと思っている。だから、慣れない頃は、韓国人や中国人と言われるとあまり気分が良いものではない。それが、毎回そういう事が続くと、だんだんと、その理由を探りたくなる。
何よりも一番の理由は、日本人のプレゼンスが低いことが真っ先に挙げられる。
ベトナムなら韓国人が圧倒的に多いし中国人も多い。
自分たちでは、日本人と韓国人や中国人とを間違う事はほぼないが、ベトナム人からしたら、見分けがつかなくて当然だろう。
実際、私がヨーロッパの人を区分できるかと言えば、できない。実は、これは人間の識別能力の問題だ。人間は、四六時中見る顔は正確に識別できることは証明されている。
私達は、身近で韓国人や中国人を見ることは多い。欧米に比べるとアジア人に接することが多いし、メディアでも良く見ている。だから、近隣の人たちの区分ができる。
この事と重ねていくと、やっぱり、日本人がベトナムでは目立っていない。知られていないことに気づく。
実は、私は、ルワンダでこのことを確信した。
今年の3月にルワンダの路上で、お兄さんから地図を買った。
当然、彼は喜ぶ。私も記念撮影をして拍手までした。チャイナの言葉が聞こえた。
そう、私の事を中国人と思っている。
瞬間にピンときた。アフリカで中国人が圧倒していることを思い出した。
ルワンダはまだそうでもないが、それでも日本人のプレゼンスはほぼない。
地図売りの彼が、私を日本人と想う事は0%だろう。多分、日本のことすら知らないと思う。
私は、長年ベトナム人で韓国人と言われ続けてきた。だから、韓国系の顔だと思ってきた。でもルワンダの出来事で一つ発見があった。私は中国人にも見えるのかもしれない。ルワンダで韓国人に間違えられた日本人がいたとしたら、さらに私の疑問はクリアーになる。
いずれにしても、私のベトナムでの目標はまだ達成していない。
私が普通に街を歩いていて、日本人と言われる時が来ることを長年待ち望んできた。
実際に、ジャパンスタイルと称して、イベントや情報誌の発刊、日本のトレンディドラマの放送、ジャパンスタイルショップの運営など色々とトライしてきた。