[本文引用]
創業以来、オフィスの引っ越しを何度してきたことか。
28年前、神戸の自宅の一室で、SOHOワーカーとしてスタートした時は、オフィスを持っていなかった。1年半後、阪神大震災をきっかけに、オフィスを借りた。
それ以来、オフィスの移転、拡張を繰り返してきた。
これは、ベトナムでも同じだ。ホーチミン界隈だけで、10回近くオフィスは変わった。
オフィスを借りるのは、大体どこの国でも同じパターンだ。
常に便利な場所、大きいオフィスを求めて動く。人員が増えるとそうなるのは自然なのだが、ついつい、将来計画が先行し、一時期にオフィスが過剰になる。
振り返ってみたら、常にオフィスは過剰だったかもしれない。
引っ越し貧乏とよく言われる。
確かに、引っ越しにはコストがかかる。
実は、思うところがあって、20年以上使ってきた東京のオフィスを1週間前に引っ越しした。
勝手知ったる同じ五反田界隈での移転だ。
23年前、東京に進出してから、2回目の引っ越しになる。
大阪は10回ぐらい頻繁に引っ越しした。一方で東京は結構、居心地もよく落ち着いていた。
もともと、海外も含めてオンラインのスタイルで仕事してきたので、東京のオフィスの位置づけを変えようと考えていたところだった。そんな時コロナ禍に遭遇した。即決で、前倒しで次のステップに進むことにした。
東京一極集中スタイルではなく、創業時のSOHOスタイルを原点に、現代風に適応しようと考えている。
今は、全国にサテライトオフィスで仕事する環境を展開中だ。
久しぶりに大掛かりな引っ越しをして、やっぱり大変だと痛感した。コロナ過で、いつもと気の使い方が違うのも重なった。
自宅の引っ越しでもそうだが、引っ越しのプロセスはそれぞれが新鮮で気が引き締まる。ひとつの終わりと新たな始まりである。
まずは、引っ越し先を決めて、そこでのレイアウトや什器備品などの配置を考える。
そして、移動する荷物の整理が始まる。
何が大変かと言えば、荷物や書類のどれを捨てるかどうかの選択だ。
残しておきたいけど、捨てるべきものでは?
結構迷う。
行きつくところは、結局は普段からの整理整頓、5Sの重要性の再認識の機会にもなるのである。
私もいつものように、引っ越し前の現状のオフィスの写真も結構とった。記念にという考えもある。
そして、ダンボールに資料を確認しながら入れていく。ダンボールが並んだオフィスもなかなの新鮮な味わいだ。一回きりしかないシーンだから余計に写真撮っておきたい。
この整理の過程で、色々な事を改めて気づくことが出来た。
なによりも、書類や荷物を必要以上に持ちすぎている。言い方を変えれば、定期的な棚卸が出来ていないということだ。
そして、その余計な荷物がオフィススペースを占有していたこと。その分余計な家賃を支払い続けていたことに気づく。
また、机やキャビネットを整理していると、忘れかけていた昔の記憶が沢山よみがえる。
創業時の経営の方針や20年前のメールのやりとり。日々、一心不乱に取り組んだ、創業時のがむしゃらな仕事の様子が手に取るようにわかる。
私は、まだ、過去は残しているほうだと思う。
やっぱり、デジタル化して見える化しておくのがベストだ。そうすると、今どき色々と活用が見えてくる。社史にもなる。
引っ越しをせずとも、オフィスの棚卸。
これはどんな企業でも必要な事ではないだろうか?
日常の忙しさに忙殺され、ついつい、オフィスの整理が出来ていない。掃除はするが、様々な書類や荷物は、何年も塩漬けになっている。
単なるコスト削減もメリットがあるが、オフィスの棚卸をしていて、思わぬ資料や写真に出くわすかもしれない。これからは引っ越しモードでの定期的に整理整頓をしていこうと思う。
以上