[本文引用]
サブスクという言葉、ここ2、3年で一気に市民権を得た感がある。
正確な言葉の意味を知らないでブームに乗っている人も多いと推察する。
サブスクは、サブスクリプションの略語だ。
日本語では定期購読、予約購読。
こうなると私が小学生の頃から当たり前だった。
私は小学生の頃に字の矯正のために、ニチペンのみこちゃん(確かこういう名前で憶えている)の通信講座を受けようとしたことがある。これも定期購読の一つだ。
余談ながら、いまだに私は字が上手ではない。
始めてみたものの、結局、一回だけ課題を送って添削が返ってきて終わった。
いまでもたまに小学生の時に無駄なことしたなという苦い思いと、あの時に無理やりでもしておけばよかった。と少しの後悔の念はある。
そんな私が、この時の経験をビジネスをする側、つまり企業側から考えてみる。
通信教育=定期購読になる。私の場合は、私のヘタな文字を添削する人の人件費がサービス料金に含まれていたはずだ。
結果、私はサービスを提供する側に利益をもたらす優良顧客だったかもしれない。
こんな小さな体験と、ITの仕事をしていることが理由で、今のサブスクがブームになることが良く分からない。
本当に理解してこの言葉を使っている経営者も少ないと思う。
もっとも、今の経営者は、ステークホルダーにはフロービジネスよりもストックビジネスと説明するほうが評価が高くなることが多い。経営も不思議な世界になったものだ。
だいたい、銀行の人でも、毎月、定期収入があるモデルだから経営が安定していると理解する。
一つの見方はそうかもしれないが、このサブスクの功罪はもっと根が深いものがある。
たった少し前はシェアリングビジネスが大流行だった。今は、このシェアビジネスとサブスクもセットで仕組化されているケースも多い。
私なりの解説をすると、サブスクは何十年も前に世の中にあったビジネスモデル。
それがITに乗っかってきたので、とても斬新だと誰かが言い出した。
一方、シェアリングビジネスは、ITがないとほぼ実現不可能なビジネスだ。そういう意味で新しい。
結局ビジネス化することはなかったが、私はビニール傘のシェアビジネスを考えたことがある。
今となっては、車や自転車など、考えられることの多くがシェアできる時代だから、皆さんも想像できる仕組みだと思う。
収益化というよりも、世の中でビニール傘ほど無駄なものは無い。
そういう私は、安易にコンビで500円ぐらいのものを買う。比較的安いので、どこから忘れてもあまり気にならない。こういう資源の無駄遣いに加担しておきながら言うのもなんだが、この無駄は今どきのITを駆使すれば容易にできる。
もっとも、収益化は困難なビジネスモデルではあるが・・・
そんなことを20年近く考えていたら、どうも先日このサービスが始まったようだ。
少なくとも、クラウドとスマホがないと成立しない。ネットがいつでもどこでも自由に使えるようになったから出来る事である。
何度も言うが、サブスクは別に新しい概念でも何でもない。ITの恩恵でシェアする考え方が実現できて、それがクラウドサービス化されていく。
そうすると、これを定期購読販売するのは自然の流れだ。
私が良く引用する本がある。
不道徳な見えざる手だ。
その気になれば、サブスクほど不道徳が横行する仕組みはない。
先日のブログでも書いたが、ネットフリックスの取り組みは素晴らしいと思う。
有料会員で、利用率が低い人に解約を勧める。
これが本気なら今どきの健全企業のモデルだと言える。
しかしながら、夜中には幽霊会員が収益源になるビジネスは沢山ある。
私の先程の通信教育もそうだし、スポーツクラブもそうだ。これもブログに書いたことがあるが、スポーツクラブの幽霊会員歴は5年ほどある。
毎月1万円以上の会費を支払って、一年に泳いだのが1回か2回。これなら誰が考えてもスポットで1回2500円が良い。
私程度の損失は知れていると思う。
スマホのアプリにしても何にしても、定期的にチェックしないと大変なことになる。
そうそう。
最近も痛い目に遭った。
ECでちょっと特殊なマスクを買った。睡眠時にのどを保護するタイプだ。
私は何気に一回だけ申し込んだが、なぜか毎月届く。
ある時、そのことに気づき、解約手続きした。未だに届く。こういうブログを書きながら、年末年始解約しようと思っている。
もちろん、とどいたマスクは過剰だが、絶対不要なものではないから、こんな悠長なのだが、実にこういうサブスクの解約はややこしい。
ボタン一つで解約出来たらどんなにその会社が好きになる事か。
まあ、もっとも、IT活用する側から色々と世の中のサービスを見ていると、微妙に巧妙な仕掛けを生み出している世界である。
不道徳かどうかは、その会社経営の姿勢や品位に関わるが、知らず知らず、サブスクの世界では、無駄な買い物、無駄なサービスが横行している。