[本文引用]
メディアと料理はよく似ているところがある。
メディアといっても多様だが、私は書籍や編集を伴う写真や動画のコンテンツは、特に料理と通じるところが多いと思う。
今回のブログではメディアをこの範囲で考察したい。
まずは料理の話であるが、私が、料理が趣味だと言うと、ほとんどの人が、“えっ”と反応する。
30代ぐらいからそうだが、私には料理をしなさそうな印象があるのだろうか。
農家で育ったおかげで、自炊は子供の頃から当たり前だった。
学生時代も自炊派。ベトナムでいる時も、ベトナムの野菜はほとんど料理してみた。
もっとも、ここ数年は、それどころではない他の趣味などを増やしてきたので、料理をする機会はめったにないのだが。
余計な話を更にすると、私は高校生の時、料理の世界に進もうと思っていた。
すし屋かラーメン屋に憧れた。
そういうことがベースにあるとは思うが、10年前からベトナムでレストラン経営を始めた。和食と焼き肉だ。食ビジネスもとにかく奥が深い。
飲食をビジネスとしてするのと同時に、改めて調理師になろうと思ったこともある。
そんな訳で、
料理研究家&事業プロデューサーの土井敏久氏との一昨年の偶然の出会いも必然と思っている。
土井さんは家庭料理のエキスパートでもある。
彼とのおつきあいは、全てが新鮮で、本当に奥が深い。先日も、ご縁があって、土井さんプロデュースのおせち料理を頂いた。
心温まる料理に感動した。
感じる料理とはこのことだと実感した。プロデュースされた土井さんの想い。調理にかかわった方々の心のこもったおせち料理。料理の奥深さと価値をまた一つ知った。
こんなご縁の中、最近、メディアと料理の似ているところを考え続けている。
メディアは20年前の出版が本格的なスタートだと自分では思っている。それまでは、写真すらほとんど撮ることもしないタイプだった。
自分でも不思議なぐらい、メディアに対する考え方が進化してきた。
文章での表現に加えて、ここ数年は、写真、動画も当たり前に活用するようになった。
SNSの影響も少なからずある。
私が特に思うメディアと料理の共通点は2つある。
まずは、素材が大事だということだ。
良い素材ががなければ、どんなプロが関わっても一流のものにはならない。
ものを創るのに2つのアプローチがある。
一つは、良い素材を見つけてから料理する。
良い写真や動画を見てからどうコンテンツにするかと似ている。
もう一つは、料理をイメージしてから適する素材を見つけて調理する。
メディアであれば、出来上がりのコンテンツをイメージして、写真や動画を撮る。
どちらにしても、素材に徹底的にこだわりたい。
だから、写真や動画の撮影には自然とこだわりが強くなる。
次には、如何に五感に訴求するか?
感じるメディア、感じる料理という感覚だ。
両方とも奥が深いテーマだ。
料理は特に五感が大事であるが、これは万人に共通していることかもしれない。
味覚だけではない様々な要素がおいしい料理には必要だ。匂い、見た目、食するときの環境などの音。すべてを感じれる料理は逸品だ。
例えば、自然に囲まれた清流のせせらぎの中で食する山菜料理。
メディアであれば、やはりベースが紙になると思う。紙の手ざわり、紙をめくる音なども感じる一つだ。五感が働くことでより一層、コンテンツの吸収も深まる。
感じるメディアは私のこれからのチャレンジなテーマだ。きっと、未知の奥の深い世界が待っているように思っている。写真や映像の素材をどう料理するかがこれからの勝負どころだと思う。
料理するスキルもコンテンツを編集するスキルも一流であることは必要条件だ。両方ともに鍛錬したい。そして、私は、素材にもとことん、こだわっていきたいと思う。
以上