[本文引用]
ITやテクノロジーの進化は加速するばかりだ。しかも、大半の人が知らないネットのプラットフォームが急速に広がっている。
まるで、見えない地面のなかに巨大空間ができるように。
最先端のテクノロジーや仕組みを有効に活用できる人達にとってはとてもありがたいが、一方で、様々な格差を生み出している。
IT業界で盛んにデジタルデバイドの問題が喧伝されたのはもう20年ぐらい前になる。
その当時は情報格差の表現と同義に近かった。地方と都市のデジタルデバイド、先進国と新興国のデジダルデバイド、シニアのデジダルデバイドなど様々だ。
要するにITやネットが使いこなせないと情報入手が困難になるという話だ。
あれから、時は流れ、昨年は、コロナ禍のなか、オンラインを使うことが一気に世界に広がった。今年も加速するのは疑う余地はない。
ただ、今は、非接触という視点での活用が大半だ。オンラインの可能性を考えると、あと数年もすれば、2020年は、大きな変革の単なるきっかけに過ぎなかったことが分かるだろう。
オンラインを使って人間が何かする。
今までの働き方や生活を劇的に変革するのは間違いない。
人間が如何に適応できるかが課題だ。
この一年は未来から振り返れば、この黎明期と記録されるのは疑う余地がないと思う。
そういう変化の中で特に心配なのが、格差の拡大だ。情報格差だけでなく、オンライン活用格差も生まれつつある。
ある意味では、IT活用は世の中の格差是正に関しては、もろ刃の剣だと言える。
先日もブログで書いたが、日本のジェンダーギャップの解消にはIT活用はきっかけにできると思っている。
一方で、IT活用は次々と見えない新たな格差も生み出している。
誰にでも一番、想像しやすいのが、アナログ派とデジタル派の格差である。
例えば、ビジネス社会全体では、日本の印鑑文化をどう革新するかだ。
単純に言えば、印鑑をなくして電子印鑑にする。
これは誰でも思いつくが、様々な抵抗が生じる。
実際に、アナログ派の人達は、そもそも、デジタル化が理解できない。使い方が分からない。そして、信用できない。
オンライン診療も兆しが見えるが、岩盤規制、既得権益を打破するのはそう簡単ではない。日本の病院は改善されつつあったとはいえ、待ち時間が異常に長い。
ITをつかって、予約管理をすれば改善できる。そこに加えて、オンライン診療のオプションができれば、改善は劇的に進む。
また、調剤の世界もそうだ。AI君が調剤して、自宅に送る。アドバイスは薬剤師がオンラインで・・。こういう話も構想は誰でもできるが、如何せん新しいものが普及しない国である。
生活者からしたらぜひ、普及して欲しいものが普及しない。
年賀状はどうだろうか?
他にも色々とある。
IT化やオンライン活用は、いくらでもする気になれば、導入できる。それは、新興国の様子を見ていれば一目瞭然だ。何もなければ、新しいものを取り入れるのは早い。