[本文引用]
会議を行わない会社や組織は存在しない。
二人以上になると、会議が成立する。
余談だが、世間ではMTG(Meetingの略称)と表記することが多いと思う。
私も仕事人生で、数えきれないぐらい会議に出ている。
今であれば、例えば社員の仕事が始まる月曜日などは、集中的に多い。長くて一時間。午前中だけでも10ぐらいの会議をする。短いと5分、10分で済ます。
私が考えるには、会議は短ければ短いほど良い。最も大切なことは、集中力と、立場関係なく参加する一人一人の責任感である。
仮に私が一方的に指示するだけの会議としても、時間が限られているほうが、私自身も余計なことは言わない。そのためには、事前に準備が必要である。
だから、そういう時は、必ず、少なくとも話する項目は手元メモに書く。
とにかく、会議と言うのは、目的があまりにも多様だ。指示するだけなら、相手の理解するしないはあるにしても、こちらの努力次第で、とてもシンプルに短くすることはできる。
幾つかの会議の改善ポイントを考えてみる。
まず、基本中の基本から。
定例的な会議のポイントだ。
優秀な会社はPDCAに則って経営活動が行われている。逆に言うと、これが出来ていないと、まぐれはあっても、継続的にまともな経営はできない。
基礎体力や基礎の筋力がなくてスポーツするようなものだ。このあたりは、昨年発刊した当社の書籍に詳しく書いている。
このPDCAの実践ととても密接なのが会議とも言える。PDCAに則って行う会議は、基本的に定例会議になる。
一般的に、この定例会議は、とにかく形骸化しやすい。
特に、仕事レベルが低い人が混ざったり、多忙な時期と重なったりすると、気分的にも実質的にも会議が疎かになる。次もあるから、まあ、いいやとなる。
それを繰り返していくと、悪い習慣が組織にはびこる。ダラダラ会議が横行することになる。
結局、参加者の問題でもあるが、やはり、会議の責任者の問題である。
会議と言うのは、その議論や決定事項も重要であるが、会議の質、つまり、会議のやり方の方がもっと重要だ。悪い習慣がはびこる温床になってはいけないのだ。
例えば、仕事のできる人が決めれば5分で完了することでも、そうでない人が何人かで、ああでもないこうでもない。と繰り返したところで、何も決まらない。
もっとも、仕事が出来ない人だけが集まっている会議であれば、ことさら、会議だけが生産性が低いわけではないので、ある意味、会議の質の問題は顕在化しないといえるが。
そうは言っても、大企業でも中小でも会議の正しい効率的なやり方が分かっていない会社が多い。
仮にわかっていても、さきほど書いたように、人間はPDCAには本能的には向いていない。組織の責任者が習慣化させて継続するように強く導かなければ、良い会議は生まれない。
また、会議のリテラシーの低い人が混ざると、一気に会議の質が下がる。
仕事レベルの高い人のみの会議の質が高まるのは言うまでもないが、どんな組織でも様々な仕事レベルの人で会議が構成されることが多いので、運営者は細心の注意を払う必要がある。
実は、私の会社では、10年以上前に、会議のノウハウをまとめて、ヒューマンブランドシリーズとして発刊した。この内容を全部書き出したらきりがないが、会議を改善すれば、会社は劇的に変わるのは疑う余地はない。
会議の責任者ではなく、参加する人のために、もっとも大切なことを幾つか書く。
何よりも大切な事は、準備しないで会議には出ないことである。
よっぽと、オブサーバーとか見習いでない限り、発言を前提にするので、最低限、何を発言するかは会議に出る前に準備しておく。
会議の主役や当事者の立場であれば、必ず、アジェンダを準備する。
会議中の進め方で気を付けたいことは、とにかく話を分かりやすく、短くする。
5W1H(5W2Hも使われることがあるが、まずは、シンプルなことから)に即して、曖昧な事は発言しない。
そして、人の発言に対しては、分からないことがあれば、その場で解決する。
最も大事なのは、議事録を作成する。アジェンダとセットになる。
そして、その議事録の内容を必ず実行する。
これでようやく、PDCAが回りだすのである。
会議は多様であると先ほど書いた。
会議の目的は沢山ある。
販売戦略、人事、トラブル対応、プロジェクト管理、業務改善・・幾らでもある。
一方で、会議そのものをPDCAのCとして行うことも重要である。これは点検のための会議と言える。漫然と会議を社員の自主に任せていると、見えないところで、病巣が