[本文引用]
こんなすがすがしい読了感は久しぶりだ。
書籍“LIFESAPNライフスパン”を数日で読み終えた。
500ページ近い本なので、読みごたえはある。
この本は、読みながら、本当に気持ちが揺れる。
今までの常識が変わる。
自分たち人類の未来を真剣に責任もって考えようと思う。
仮に一人が出来ることが、ごく限られているとしても、人類はその小さな関心と行動でつないできた動物である。
また、この本の内容は、当事者でもあるシニアや未来の当事者になる子供たちとも、一緒に関心をもって学んで、考えていきたいテーマだ。
この本を読むきっかけは、尊敬する先輩経営者から頂いたものだ。
読むと良いよ。とわざわざ送っていただいた。
分厚い本だったのと、繁忙期でなかなか、機会が作れなかったが、先日ようやく読み始めた。
今、日本国内でも健康経営や健康生活についての取り組みが行われている。
ただ、まだまだ関心を持っている人は少ないし、実際に行動として取り組んでいるかと言うと、更に少ない。
もちろん、誰しも健康でありたいとは思う。
しかし、若い頃は特にそうだが、未来の健康に関心をもって、転ばぬ先の杖として準備できる人は少ない。だから、ほとんどの人が健康を害して、病院で治療を受けて初めて健康の大切さを知る。
一方で、人生の終盤については、皆同じような考えがある。最後まで、元気でピンピンコロリを願う。少なくとも私の世代以上の方々との共通の話題だし、このテーマは結構盛り上がる。やはり、皆が望んでいることは、健康寿命ということになる。
この本の著者は、科学者である。
だから、その見地で書かれている。老化は病気である、だから治療できるものであると一貫している。
詳細は、ぜひこの本を読んで欲しいと思うが、これからの読者の興味とワクワク感をそがない範囲で、私の感想や考えたことを書いてみる。
真っ先に言いたくなることは、人間の探究心の凄さだ。人間はどうしてこれだけ強い執着心でとてつもない長い時間をかけても、未知のことを解明しようとするのだろうか?
特に遺伝子を発見、解明した物語に、私は以前からとても強い関心がある。そもそも、初めて遺伝子の存在を推論したのが、理科で習ったエンドウ豆の観察で有名なメンデルだ。そして、多くのひらめきや探求心がつながり、今は遺伝子がほぼ解読されている。しかし、実はまだ、未解読の部分があって、そこにも更なる発見が隠されているらしい。
宇宙の探求と人間自身の探求。
人間がしていることはこれに尽きるように私は思っている。
果たして人間が老化を病気だと自覚して、この病気を治すことに人生をついやすとしたら、何のために生きているかがブレてくるのではないか?
永遠に答えのない領域に人間は差し掛かってきたのではないかと思う。
すでに一般的にも知られているが、今は、お金で病気を治す時代と言われている。
高額治療費が支払える富裕層でないと、先進的な医学の恩恵にはあずかれない。
仮に老化が病気として、治せるとしても今の地球上の全員が治療を受けることは不可能だ。
こういうことを考えていると、結局は、科学や医療の発達は、格差を生み出すだけなのかとなる。
これは、何も医療に限ったことではない。ITの進展もそうだ。本来は格差の是正であったり、恵まれない環境の人達こそ、ITを使いたい。
皆が、健康に生きるチャンスに平等に巡り会える社会になって欲しいが、なかなか難しい課題だ。
最後に、まとめると、今起こりかけている現実を知らないまま人生を送る方法もある。
ただ、私のようなタイプは、こういう分野にも好奇心があり、ご縁でこういう類の本を推薦していただき、そして読んだ。
健康寿命が長くなることはとても嬉しいと思う反面、結局はあらたな問題を生み出すことになる予想ができる。ある意味、人類が元来持っている永遠のジレンマがまた一つ明るみになりつつあるような気がする。
以上