[本文引用]
4月12日は、日本のゴルファーにとっては、一生忘れない記念日になった。いや、日本国民にとってもそうではないだろうか。
PGAのメジャー大会、マスターズで松山英樹選手がチャンピオンになり、長年の日本の悲願が達成されたのである。私は、毎年恒例の通り、ネットのライブ中継にくぎ付けになっていた。
少し専門的でゴルフを知らない方には恐縮だが、サンデーバックナインと言われる決勝日の後半の9ホール。かつて様々な劇的なドラマがあった。
スーパースターのマキロイ選手やジョーダンスピース選手も数打差の首位でこの位置に立ちながらサンデーバックナインで崩れ去ったこともある。
それだけ、プレッシャーは相当だと想像できる。
前日の3日目の大爆発で、トップに躍り出た松山選手。決勝のこの日は、前半の9ホールを終えて、5打差で首位だ。普通に考えれば、勝利はほぼ間違いないところだが、何せ追ってくるのはトッププレーヤーばかり。しかも、数々の逆転劇が私の脳裏に浮かぶ。
そして、一方で、日本人がこのままチャンピオンになったら、日本の今日というこの日は一体どんな1日になるだろうか?そんなこともワクワク感も想像しながら、わずか一時間少しを心臓バクバクしながら視聴していた。
結果は、1打差で逃げ切り。日本中の大歓喜の渦の中に私も放り込まれた。
未だに、他人ごとではあるはずなのに、自分事のように嬉しさがこみあげてくる。
そして、ゴルフ好きの仲間に会うたびに、誰にとってもこの嬉しい出来事が話題の中心にある。
大した話ではないが、私もそろそろ、ゴルフの再開を期待されだしたし、練習を始めようと思っている今日この頃である。
今日のブログはこれで終わてしまっても、私がどれだけゴルフ好きかは分かっていただけるかもしれないが、今日書きたいことは実はスランプについてだ。
実は私は松山選手に限らず、スポーツのトッププレーヤーの浮き沈みに人並み以上の関心がある。
これは、ずっと前からそうだ。子供の頃から興味が強い野球がそうだし、今はスポーツ全般にそういう意識が強い。体操にしてもそうだ。内村航平選手が、オリンピックで金メダルをとること以上に、今復活を目指していることに強い関心がある。体操の羽生選手しかり、関心の対象は挙げだしたらきりがない。
トッププレーヤーにも必ずと言ってもよいほど、数年間ぐらいのスパンで見ていると、不調の時期が訪れる。
それは怪我が原因であったり、ここぞという試合での敗北がきっかけになることもある。また、すい星のように現れたスターに敗れることもある。
こういう悲喜こもごもの人生のスランプを眺めていると、とても多くの学びがある。
こういう感覚で、松山選手を数年間おっかけていたこともあったので、余計に喜びが爆発した。
松山選手と言えば、2017年の全米プロの最終日を思い出す。
全米プロは、マスターズも含めて4大メジャー大会のひとつである。
私はこちらもTVで観戦していた。
この頃の松山選手は絶好調で、その勢いで全米プロ、最終日の折り返しでトップになった。生涯のライバル、トーマスとは僅差の争いだった。後半で崩れトーマスに逆転された。そして、悔し涙を流した。
この大会から、松山選手は、ツアーの優勝から遠ざかる。私は、メディアからのネタなので、詳しく書けるわけではないが、ある意味スランプの始まりだったと言われている。
私も正直、2年ぐらい前から、あの時が最高到達点のかもと思い始めていた。しかも、今回のマスターズの前哨戦では、芳しくない成績。
本人のコメントもマスターズにはあまり期待できないというようなものもあり、私は、全く期待していなかった。
そんな中、3日目に爆発した。
こんな風にずっと、松山選手のことを考えていて、今回はスランプを脱出したと言える劇的な優勝だが最大の要因は何かを私なりに考えてみた。
やはり、それは、コーチとの出会いであるのは間違いないと私は思う。
松山選手はコーチを持たないことで有名だった。タイガーウッズでもほとんどの選手がコーチを持つ中での松山選手の存在も際立っていた。
昨年末に目澤コーチがチーム松山に加わった。
今回の優勝でコーチの人生を考えることも、おもしろいが、これは別の機会とする。
コーチをつけた。アドバイスやサポートが的確だったのは疑う余地がない。
ただそれだけではないと思う。
私は常々、人との出会いがきっかけでスランプを脱出することが世の中で沢山あると思っている。マスターズ優勝という偉業の達成には、コーチとの出会いそのものが大きな転機になったと確信している。
そういう意味でも、今年の松山選手の活躍はさらに楽しみでならない。
以上