[本文引用]
人間にはどんな人でも苦手なことがある。
その時に、大抵の場合、苦手なことを避けようする。
子供の頃、例えば、ピーマンが嫌いな人は多かった。
あの強烈なにおいと何とも言えない味が原因だったように思う。
私の場合は、ピーマン嫌いではない。
子供の頃の好き嫌いで言えば、ピーマンは普通だった。
農家なので、季節になると家族で食べるためのピーマンも栽培していた。
だから、普通に食べていた。
私が思うには、子供の頃の食べ物の好き嫌いは、特別な例を除いて、単に慣れの問題だと思う。
とはいえ、子どもからだんだんと大人になっていく中で、苦手科目がはっきりしてくる。
スポーツなんかは分かりやすい。私は、野球が好きだ。考えてみたらスポーツでも小さい球を扱うスポーツは好きで得意な方だ。
ただ、バスケットボールのような大きい球のスポーツはどちらかというと苦手だ。
野球とサッカーの両方得意な人はあまりいないと思うが、私は野球派なのでサッカーは苦手だ。
こういう苦手かどうかは、結局は慣れと言うか、習熟する時間の問題も多々ある。
さて、今日の本題の仕事の話にしたいと思うが、地味な仕事や裏方の仕事を苦手だと平気で言う人が結構多い。
私ぐらいの年齢になると、今更驚くこともないが、オールマイティで仕事をこなしている人は意外と少ない。
経理の仕事や総務の仕事を考えてみる。
一般的に女性が従事するケースが多いように思う職業の一つである。
経理や総務と言えば、きっちりと丁寧に正確に仕事をする必要がある。
口でごまかしたりできる仕事でもないし、結果オーライの仕事ではない。特に経理は本来、数字の1円も間違えてはいけない仕事である。会社運営にとって、とても重要な仕事の一つであるが、経理が苦手な人は多い。
会社には、計数は付き物だ。そもそも決算業務や税務申告の基本は数字だ。頑張りましたなどの定性的な評価ではない。そうすると、会社で働く人全員が、企業を運営するための計数には明るいほうが何かと都合が良い。
しかし、数字が苦手だからという意識を持っている人は意外と多い。
私も、長年、様々な社員と仕事してきたが、数字が苦手です。と思い込んでいる社員は多かった。
私は、会社の計数に掛け算はほとんどない、基本は、足し算と引き算だと教えてきた。実際、難しそうに見える決算書でも基本はそうだ。
ピーマンが苦手な人が存在するように、どこかで数字が苦手と言う思い込みで、大人になっても仕事している人は多い。
私が思うに、もう一つ、こういう丁寧なコツコツする仕事と言うのは面白みに欠ける。だから、辛気臭いと思う。実は数字が苦手なことに加えて、そういう仕事をするのが嫌で、それが数字嫌いです。となっているように思う。
男性の家庭料理を揶揄する話は定番だ。
男性は料理はするが後片づけをしないという話をよく聞く。確かに、そういう人も多いと思う。
私はどうかと言うと、独身時代は一人暮らして、結構自炊もしていた。当然、自分で後片付けはする。ただ、食器が一つもなくなったら、1週間まとめ洗いしていた。これはちゃんとした人から見たら、だから男性はと言われそうだが、私は、必要な事はちゃんとする方だ。
仕事に置き換えて考えると、その仕事を完結するために必要な事は、一通り自分でこなす能力を身に付けるのが何かと良い。
例えば、起業でも最初から経理や給与計算を社員やアウトソーシングに任せるのではなく、一度は、自分が全部やってみることが大切だ。
その上での役割分担である。例えば、社長で経理もとにかく好きだからと言って、いつまでも自分で経理の実務している社長は皆無だろう。
辛気臭いと思う仕事は、どんな世界にもある。
野球で言えば、ボール拾いかもしれない。
仕事もこれと同じで、必ず辛気臭く思えても誰かがやらないといけない仕事がある。こういう仕事を自分でこなし、その重要性を分かる人であってほしい。
以上