[本文引用]
世の中に失敗経験のない人はいない。
人間だけとは限らないだろうが、特に人間は失敗を経験し、それ克服を糧にして成長する。
また、アグレッシブな人は、失敗は挑戦にはつきものだと当たり前に思っているので、“失敗は失敗と思わなければ失敗ではない”、“失敗は諦めなければ失敗にはならない”。色々と言い方や表現はあるが、とにかく、失敗を肯定的にとらえる。
私もどちらかというと、そういうタイプではあるが、流石に事前に防げる失敗は事前に防ぎたいとも強く思っている。
それはリスクマネジメントとも言えるが、組織や社会の仕組みとしての失敗はとても複雑であるので、今回はシンプルに人間個人として、どういう時に失敗しやすいのか?ということを改めて考えてみる。
人の性格や行動の仕方というのは実に千差万別である。そして、失敗の起こし方や失敗の種類も色々とある。
自分の事もそうだが、長年、仕事で人と関わっていると、やはり、失敗はその人の性格や特徴と因果関係にあることを確信する。
私は、自分で言うのもなんだが、どこかでサービス精神旺盛だ。だから、結構ノリでOKということがもある。特に30代は、今から振り返るとあきれるぐらい多かった。
例えば、飲み会の設定で、ダブルヘッダーになってしまうことが時々あった。これはスケジュールの都合上、タイトでそうしたというよりも、すでに一つ目の飲み会が決まっていても、目の前の相手と盛り上がってしまい、後先考えずに、同じ日に飲み会を約束してしまう。普通では考えられない行動かと思う。
流石にこの10年は皆無だったが、若い頃は時々やっていた。もちろん、体力もあったし、特段、大きな支障はないのだが、いずれにしても、自分自身が慌ただしくなる。一人目の相手と飲むお酒も食事もセーブしてしまう。特に、料理がそうなる。
今となっては些細な失敗だが、こういう行動というのは、改めて分析すると自分の特徴である。子供の頃に、よく母親から、“お調子もの”と言われていた。
大人になって、サービス精神旺盛とプラス思考で考えていたが、やはり、それが災いすることがある訳である。
経営的な話を一つすると、経営者にもタイプが色々とある。適性検査がある訳ではないから、誰が向いているいないもないし、必要なスキルの基準はあるようでない。
しかし、経営者の特性や性格によって、事業のスタイル、経営のやり方は変わる。
私で言えば、先ほど書いた調子乗りの要素がベースにある。
人がしないことに興味があることに重なって、サービス精神旺盛で失敗することは多々ある。30年近く経営をしている中では、もちろん、失敗を反省し次に活かすことは当たり前にしているが、だからといって、自分の特性や性格を嘆くわけではなく、どういう失敗につながりやすいかを把握すると、結構、事前の対策はし易いのである。
世の中には実に多くのタイプの人がいるが、例えば、おっちょこちょいの人。
こういう人は、仕事では、早とちりが多くなる。道を間違えた。買うものを間違えたぐらいなどはまだよいが、仕事では致命的になりかねない。
楽天家の人は明るい。しかし、とこかで、慎重さに欠けることが多いと思う。だから、蟻の一穴に気づきにくい。
一方で、心配性で何事も100%の確証がないと事を始められない人。こういうタイプは品質管理や検査にはピッタリだ。一方で、例えば、新興国のビジネスを担当するのは難しい。
また、人間というのは単一的ではない。
様々な特徴が混ざっている。だからこそ、失敗の原因を突き止めるには、短絡的に考えてはいけないのである。
人間には、性格や特性に限らず、根底には本能的ともいえるヒューマンエラーもある。
ただ、一つ言えることは、どんな人でも“人間は自分の特性や性格に合った失敗をする”のである。
以上