[本文引用]
最近、私の周辺でホットなキーワードがある。
それは、ファーストペンギンである。
まずは、Weblio辞書から引用してみる。
「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛び込む1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めてて「ファーストペンギン」と呼びます。
私なりの解釈は、誰よりも先に危険を顧みず、行動する人のことをこう表現すると考える。
事業創造や起業という活動で先頭バッターとして挑戦するのか二番手以降でチャンスを狙うのか。
このあたりを考えるだけで、ビジネスの戦略も変わってくるし、それに取り組む人たちのマインドや心理も奥が深いものがある。
もともと、ファーストペンギンが私の周辺で話題になったのは色々と長年の経緯があるが、シンプルに言うと、近藤さんは、ファーストペンギンですよね。と知り合いに言われたことが大きなきっかけだった。
私の全体感には、そういう印象があるようだが、SNSである方が私のベトナムでの活動を評して言われたことだと理解している。
私なりに単純に書くと、まだ、ほとんど注目もされていなかった2000年よりも以前のベトナムでビジネス活動を始めたことが、ファーストペンギンという印象に重なっているのだろうと思う。
こんなきっかけから、波長が合うと話の発展するのは早いもので、海外進出事業を手掛けるエイグローブ社の創業者、小粥おさ美さんのファーストペンギンを探せというBナビオンの番組が始まった。先日、1回目の収録を終えたところで、改めてファーストペンギンを考えてみようという今の心境である。
利己的な遺伝子はご存じたろうか?
先日も、ブログのテーマとして取り上げだが、人間は生物の一種であり、現代科学では遺伝子レベルで解明が進んできている中で、生物の遺伝子は皆、利己的であるという考えだ。
そういう視点でファーストペンギンをとらえると、この遺伝子は伝承されない確率が高い。なぜならば、勇気はあるかもしれない(あるいは無謀ともいえる)が、生存確率は低い。
やはり、ファーストペンギンの行動の結果を見て、自分の行動を決める方が、生存確率は高い。
つまり遺伝子は伝承される確率が高いのである。
まあ、これは私の勝手なファーストペンギンの解釈なので、流していただくとして、私なりのファーストペンギンの特性を幾つか挙げてみることにする。
私が、人から見たらそう映るのはなぜかの視点で考えてみる。自分の性分と併せて考えてみる。
一つは、人がすることと同じことをしたくない。これが私の根底にはある。これはビジネスだけとは限らない。私生活でもそういうところがある。
時々思い出すのだが、母親が、昇は難しいと。褒めても怒っても、怒っていると。今振り返ってみれば、別に怒っていたわけでもない。これぐらいで褒められたくないという思いである。怒られるの嫌だから、次は絶対に怒られないようにする。
こんな単純な意識だったと思うし、今でも本質は変わらない。要するに、ほっておいて欲しい。人にかまわれるのが好きではないのだ。
だから、人についていくのは好きでないし、自分しかできないことを選択するのだと思う。
もう一つは、レールの上に乗っかりたくないという冒険心や好奇心だと思う。
イメージで言えば、未開のジャングルの探検隊の先頭でありたいと思う。
こんなことが重なって、ファーストペンギンのように見えてしまうのだと今は自己分析している。
最後に、ファーストペンギンは勇気が本当にあるのだろうか?
20年近く前の拙著“仕事は自分で創れ”に書いた、フグの話を思い出した。
フグは毒がある。しかし、美味しく食べられる。何人も何人もトライして犠牲になりながら、毒がどこにあるかを解明したという話だが、本当に一人ずつが誰かにいつか安全にフグを食べてもらいたいからそうしたいのだろうか?
命の危険があると本当に分かっていたのだろうか?もし分かっていたなら、私なら絶対にチャレンジしない。
このフグを食べることにチャレンジした人たちは、ファーストペンギンなのだろうか?
しばらく考えてみようと持っている。小粥おさ美さんの“ファーストペンキンを探せ”が回を重ねるごとに、私のこの疑問がクリアーになるかもしれない。そんな楽しみな番組でもある。
以上