[本文引用]
アンガーマネジメントを知っていますか?
温厚な人、穏やかな人、短気な人、かっとなりやすい人。人間は実に多様なタイプに分かれる。
そういう中で、怒らない人はまずいないと思う。
そもそも、人間には喜怒哀楽は付き物だ。できれば、バランスよくありたいが、別に標準的な理想的な基準がある訳ではない。
やはり、人間は社会的動物だから、集団生活の中で、人間関係を意識して、喜怒哀楽を自然で出したい。
ちなみに、私は、若い頃から瞬間湯沸かし器と言われていたぐらい、すぐにカッとなるタイプだった。
20代のある時、先輩の女性から、
“そういう時は、階段を数段登ってみると良い。それだけで、怒りは収まるよ。”
と教えてもらい、素直にしばらくは続けてみた。
実際に効果はあった。
人間の脳は、感情の高ぶりは時間の経過とともに収まるという理屈だろう。
実際、アンガーマネジメントは専門的にも長い間研究されているようで、怒りが芽生えた時、数秒間でも時間を持つと怒りが消えたりするものである。セルフコントロールも大切な所以だ。
会社の組織運営でのアンガーマネジメントを少し考えてみる。
上司になって、部下を全く怒らなかったらどうなるか?
結論は簡単だ。完全にゆるみが生じて、組織はガダガタになる。
以前、このブログでも書いたが、新興国などでダメな日本人上司は、とにかく優しい。
そういう上司を好むのも新興国の特徴である。
もちろん怒る理由もないのに怒るのはご法度だ。
しかしながら、人間のすること、不注意もある、うっかりもある。また、一生懸命にやっても失敗もある。だからと言って、褒めるわけにはいかない。失敗は、やはり、怒られて当然だ。
メリハリなのかで、褒める、怒るは上司としては当たり前に必要なスキルだ。怒れない上司ではまともな仕事は出来ない。当然、今、問題視されているパワハラとは次元が違う。
では、アンガーマネジメントがなぜ必要な時代なのかである。
周知のとおり、今の日本はストレス社会だ。どこかで誰もがイライラする社会である。特に、日本のようなシビアな顧客に対峙しているとそれだけでストレスが溜まる。その人が、ひとたび、お客さんになった時、当然、怒りやすいお客さんになってしまう。悪循環の典型だ。
また、社会生活を見渡しても、マナーも悪く、規則などを平気で無視する人も増えている。怒りたくもなる。正義感の強い人ならなおさらだ。
ただ、こういう時は気を付けないといけない。こういう怒りは、時として、別のトラブルを生む。怒りの連鎖になってしまうと、正義感だったものがあだになる。
このテーマに関しては、私も20代に比べると、自然とコントロールができるようになってきた。それは、少しずつでも世間が分かり、多くのタイプの人と付き合うようになってきたからだ。
また、私は、人を動かすときは、喜怒哀楽ではなく、喜怒快楽でという主義なので、前向きなこと、楽しいこととセットで怒るときは怒る。メリハリだ。こういうバランスを身に付けていって、シニアになるころには、穏やかな人間になっていられたら幸せだと思う。
以上