[本文引用]
中小企業と言うと、どうしても脆弱な印象がある。大企業との比較で言えば、あまりにも不安定である。
もちろん、今のような先行き不透明な時代は、大企業ですら倒産の可能性はあるが、それは中小企業の比ではない。
もう随分古い話になるが、高度経済成長期には護送船団方式と言われて、大企業の下請けに徹することが、中小企業の安定を確保する唯一の手段でもあった。
しかし、時代は大きく変わった。
バブル崩壊以降は、中小企業と言えども自立が求められる時代になった。
すぐれた工業製品をネットで直接販売にチャレンジする企業、マーケットを海外に求めてECに取り組む企業、様々な企業がITを駆使して、今までにない商流を創造することすら可能な時代になった。
しかし、世の中の変化は連続的である。
しかも、グローバル化が日々進展している。
結局、ITが世界に浸透することによって、ビジネスのあり方も劇的な変動の最中にある。
ある意味、下剋上とも言えるが、中小企業がこのチャンスを掴むには、やはり、ハードルが高い。
話は変わるが、人間も不思議だが、生物も不思議だ。私は直接見たことはないが、ふと、気になる写真を見つけた。
小さい魚が群れを成して、大きな魚のように行動する様だ。
この魚の本能的なものを考えたときに、生きる知恵というのはとんでもなく凄いと思う。
大きく見せることによって、外敵を威嚇しているのだろう。
中小企業が連携してつながりを模索し始めている。私は、この魚のような行動がポイントではないかと思う。
誰かが取りまとめ役になるのではなく、全体構想やビジネスのモデルの枠組みの中で、それぞれが役割を果たす。
随分前から、日本の中小企業の存在が危ぶまれている。創業社長の高齢化に加えて、事業承継が困難な企業が多い。
一言でいえば、中小企業同士がつながることが重要である。
その第一歩は、経営者同士のつながりから始まるが、それだけに頼っていたのでは限界がある。
やはり、ここはITを駆使するべきだろう。
情報やノウハウでつながる。
場合によっては、顧客のつながりも共有する。
決して、一つの会社としてまとまるのではない。
あくまでも小魚は小魚である。
まとまって動くことで、ビジネスの荒波でもチャレンジできる。
今までは、中小は、大企業の傘下にあるために、部分的で小さい役割に徹して専門特化してきた。
これからは、中小の集まりの組織体を構成して、その一員としての役割を担う。参加する企業が皆が対等。そして、相互連携の中で、新たな付加価値を全体としてと個として生み出す。
こんな経営スタイルがあっても良いのではと思っている。
最後に一つの事例を挙げておく。
日本の地方には、地場産業が沢山ある。
その地場産業が全国で連携する。
例えば、地産地消の地域特産品の食費加工メーカー。全国で販売網の構築で繋がれば、大きな商社機能も自前で持つことが出来る。そして海外にもマーケットを創造する。いかがでしょうか?IT活用で実現可能だ。
以上