[本文引用]
本と関わってもうすでに20年になる。
私と本のとかかわりは、自分の書籍を発刊したところからスタートする。
その数年後に、出版会社を立ち上げた。そして、自社の事業創造やビジネス活動に本を常に活用してきた。
損得勘定だけで考えても、十分におつりがくる。
処女作“ だから中小企業のIT化は失敗する”では、経営する自社の中小企業支援の基盤が固まるほどの多くの仕事の受注につながった。
一度でもそういう経験をすると、人間は病みつきになる。しかしながら、発刊してきた本が必ずしもそういうリターンにつながったわけではない。
それでもなぜ未だに出版事業に力を入れているかと言えば、本の知らなかった価値に次々と気づくことが出来たから。
それと新たな本の活用の方法や本を活かしたビジネスのモデルをもっと試したい気持ちが強くなってきたのである。
本は、メディアの一つとも言えるし、このメディアは媒介するというのが語源だ。これはつながる、つなげるという今流行りの言葉に置き換えても全く違和感はない。
私はむしろ、つながりをつくるために本は使えると思っているし、本がますますつながりを加速してくれるということを毎日実感している。
私達の出版会社カナリアコミュニケーションズの企業理念は、時代に警鐘を鳴らし、時代を牽引する。である。
こういう風に掲げるだけだと、言うだけ番長になってしまいがちだ。
力がある者や権力がある者が発信する情報が溢れている時代。そういう中で時代に警鐘を鳴らすには、現場や相対的に弱者の立場に置かれている人達の声を発信することであると考えている。
そうすると、一著者につき一冊の本では、なかなかコスト的にあわない。
だからこそ、一冊の本ではなく、そういう声を集めた新たな切り口の書籍であったり情報発信の場が必要となったりするのである。
これからもメディアは日増しに多様化の方向に進んでいく。また、一般の人が情報発信をする気になれば幾らでも出来る。
ある意味、これからの健全な社会に必要な情報ほど、メジャーなメディアの情報の中に埋もれやすい。
私は、これは砂金の金を集めるような活動だと思っている。
こういう仕組みを創り上げることが、私のこれからの役割だとも思っている。
さて、タイトルで書いた、なぜ私が関わりのある皆さんに本を書いてほしいかと言うと、私自身も著者としての活動もしてきた経験が大きい。私の人生のかかわりの方々を本で表現できたとすすれば、私にとっても、関係する方々にとっても社会にとっても役に立つ何かが残せるのではないかと思っているからである。
特に私の場合は、経営者や社会活動している方々とのつながり多い。
そして、そういう皆さんに共通しているのは、これからの人としてのあり方や地球の未来を憂えている。こういうつながりの塊が何かのコンテンツとして生み出せれば、それは間違いなく価値のあるものになると思う。
以上