[本文引用]
とっておきの面会、とっておきのコミュニケーション、とっておきの飲み会、とっておきの集まり。この11月は私も周囲もこういう格別感が一気に広がった。
そういう意味では、またまた特殊な体験中だと思う期間だ。
言うまでもなく、コロナ禍のなかでも、第五波の感染拡大が落ち着いた11月は、直接の面会や集まりが一気に増えたわけである。
もちろん人は千差万別、受け止め方は自由だとは思うが、総じて言うと、やっぱり直接会うのが一番だよね。というところだろう。
とは言え、へそ曲がりの私としては、今はちょっと違うことを考えている。
もちろん、コロナ禍は速やかにこのまま終息して欲しいと願う心は皆さんと同じだ。
こういう状態が続くと精神状態としては良くない。この2年弱、様々な気づきや学びもあったが、やはり日常には戻ってほしい。
そういう日々の中で、この1か月近く明確に思うことがある。
この1年半で大半の人がオンライン活用を止む無く体験した。
直接会えないもどかしさ、不自由さ、窮屈さに加えて、デジタルに触れすぎると根本的に身体的にも疲れが蓄積しストレスの要因となる。
だからこそ、やっぱりいつも通り直接会いたいよねとなるのは自然だった。
しかし、私としてはこれからの会いたい、集まりたいはコロナ禍以前と違うものになってほしい。
冒頭で書いたがとっておきの機会として、直接の集まりや直接のコミュニケーションを楽しむ。
IT業界で長いこと働いていると、ITツールの進化と共に生活様式や仕事のやり方が変化してきたことは、つぶさにわかる。
実は、10数年前からネットが当たり前になり、その後スマホが登場する過程で、私たちは、何にメリットを感じて喜びを感じていたかを忘れている。
その昔、スカイプが一世風靡した時代がある。テレビ電話とは違って、手軽にオンラインで世界中で会話ができる。スマホがなかった時のイメージは、パソコンの前で別売りカメラをディスプレイにのっけて、ヘッドセットを付けて、画面の中にいる人と会話する。
例えば、ベトナムに単身赴任中のお父さんが、生まれたばかり赤ちゃんとオンラインでコミュケーションする。若い人であれば、遠距離恋愛という事もあるだろう。
日本国内でも田舎になかなか帰れない都会で住んでいる人が、年老いたお母さんとオンラインで面会する。こういうことは、今では、劇的に増えたと思うが、オンラインが当たり前でなかった時代は、こういうことがととっておきのオンラインだった訳である。
ちなみに、私は海外で活動しだした時はすでに子供が大きかったので、そういう経験がないが、ビジネスにしても、プライベートにしても、たった数年前まで、アフリカからオンラインでつながる実感に、結構感動したものだ。
私は、現地法人があるルワンダからも何度もオンラインでセミナーや社内MTGをした。通信インフラが脆弱な国で、オンラインがつながる感動は格別なのである。当然、世界にはまだまだこういう国や場所が沢山ある。
今、冒頭で書いたように、とっておきの格別な直接の場が新鮮である。だから良いことも沢山生まれるのは間違いない。
しかし、水を差すようで悪いが、これが半年経ち1年経つと直接の面会も普通に戻るだろう。
そういう体験をして初めて、オンラインとオフライン(またはオンサイト)の新な使い分けが定着するように思う。
今は、シンプルに言うと、コストがかかる移動はできるだけ減らすことである。金銭的な視点よりも環境意識である。私がコロナ禍で強く再認識したことは、移動は環境負荷であるということだ。
これは人だけではない。様々なものの移動をどれだけ必要最小限に減らしていくか。これからの人間の大きな課題であると考えている。
だから、オンラインはとても重要なツールとして使える可能性があるのである。
以上